【専門家監修】エアコンのフィルター掃除に必要なものや手順を詳しく解説

エアコンの効きが悪いように思い、カバーを外しすと内側部分がホコリだらけでした。どうしたらいいですか?

エアコンを使っていると、フィルターには次第にホコリや汚れが蓄積していきます。そのままエアコンを使い続けると不衛生ですし、運転効率も下がってしまいます。エアコンフィルターの掃除は意外と簡単なので、しっかりと掃除しておきましょう。

エアコンは室内の空気を吸い込んで内部で冷却または加熱したのち、室内に適温の空気を戻す仕組みで稼働しています。


エアコンは室内の空気を吸い込む過程で、汚れやホコリなどを一緒に取り込んでしまいます。汚れやホコリは細かい網目になっているエアコンフィルターに溜まり、室内にはきれいな空気のみが戻される仕組みになっています。


つまり、エアコンを使い続けているとフィルターにはどんどん汚れが蓄積していくのです。


エアコンフィルターの汚れは放置したままにすると落ちにくくなってしまうので、こまめな掃除を心掛けましょう。


この記事ではエアコンのフィルター掃除の手順やコツ、頻度についてご紹介いたします。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。


エアコンフィルター掃除の必要性とは?

エアコンフィルターを掃除しなくてもエアコンの運転に支障はないように思います。そもそもエアコンフィルターの掃除って必要なんですか?

エアコンフィルターに汚れが溜まると、エアコンからは汚れた空気が吹き出すことになってしまいます。不衛生な状態でエアコンを使用し続けることはおすすめできません。また、フィルターが汚れているとエアコンの稼働効率も悪くなってしまうので、必ず掃除をしておきましょう。

エアコンのカバーの内側には取り外し可能なフィルターがついています。このフィルターは定期的に掃除し、きれいにしておく必要があります。


エアコンフィルターが汚れていることで起きるデメリットは大きく2つ考えられます。

室内の空気の衛生状態が悪くなる

エアコンフィルターの汚れを放置していると、フィルターやエアコン内部には頑固な汚れが蓄積していきます。

冷房や暖房を使用するとエアコン内部は結露が生じます。この結露の湿気がホコリや汚れと混じり合うと、カビが繁殖してしまうこともあります。

エアコン内部のカビ汚れはエアコンの風と一緒に室内に吹き出します。つまり、汚れたエアコンを使い続けていると空気中にカビの胞子が飛び散ることになってしまうのです。

エアコンから吐き出された汚れた空気を吸うと、アレルギーや肺炎が引き起こされる可能性があります。特に、抵抗力の弱い高齢者や幼児が汚れた空気を吸い込み続けると、アレルギーや肺炎の症状が重症化してしまうこともあるので気を付けたいものです。


エアコンの運転効率がダウンする

エアコンフィルターが目詰まりしていると、エアコンが空気の取り込みや吹き出しをする運転の効率が下がってしまいます。するとエアコンの効き目が悪くなり、十分に部屋を冷やしたり温めたりすることができなくなります。


また、エアコンフィルターが目詰まりしていると、エアコンは空気を取り込むためにパワーを強めながら運転を続けることになります。電力消費が高まった状態が続くと電気代が上がってしまったり、エアコンの使用できる期間が縮まってしまったりすることがあります。

健康被害が起きたり電気代が高くなったりするのは困りますね。

エアコンフィルターを清潔な状態にしておけば、健康被害を防いで気持ちよく過ごせます。また、エアコンの運転効率もアップしやすくなるので、エアコンフィルターはきれいに掃除しておきたいですね。

エアコンフィルターの掃除に必要なものは?

エアコンのフィルター掃除をするときにはどんな道具を用意したらいいですか?

エアコンフィルターの汚れは掃除機やブラシ、スプレーなどを使って落とすことができます。必要な道具を用意し、万全の態勢でエアコンフィルター掃除を始めましょう。

エアコンフィルター掃除に役立つ道具には以下のようなものがあります。

掃除機、専用アタッチメント

掃除機を使えば、エアコンフィルターの汚れを一気に吸うことができます。フィルターのホコリのついた側に掃除機の吸引口を当てて吸引するだけで掃除を終えられるので、ぜひ試してみましょう。


掃除機を使ってフィルター掃除をするときには、ブラシクリーナーなどのアタッチメントを掃除機に取り付けるのがおすすめです。

ブラシ

掃除用のブラシを使ってエアコンフィルターの汚れを落とすという方法もあります。ブラシがあれば網目に絡みついた細かい汚れを落とすことが可能となります。


掃除用のブラシがない場合には、古い歯ブラシなどを使って汚れを落としていくのもよいでしょう。

中性洗剤、重曹

エアコンフィルターには油汚れが付着することもあります。汚れがなかなか落ちないときには、中性洗剤をつけて洗浄していくのがおすすめです。ナチュラルな方法で掃除をしたい方は、重曹を使ってフィルター洗浄をしてみましょう。

タオルや新聞紙

取り外したエアコンフィルターを掃除機で掃除するときには、タオルや新聞紙の上に載せておくとよいでしょう。洗浄したエアコンフィルターを拭き上げるときにもタオルが使えます。

エアコンフィルターの簡単な掃除方法・手順

エアコンフィルターの掃除を簡単に済ませたいのですが、どのような手順で掃除したらいいですか?

フィルター掃除は手順を覚えてしまえば簡単に済ませられます。ここからはエアコンフィルターの具体的な掃除方法をご説明します。

エアコンフィルターの掃除手順は以下の通りです。

  1. 掃除機でホコリを取り除く
  2. フィルターを洗浄する
  3. 油汚れを取り除く
  4. フィルターを乾燥させる
  5. エアコン内部のケアをしておく
  6. フィルターを取り付けて送風運転をする

具体的な掃除の方法やポイントを見ていきましょう。

掃除機でホコリを取り除く

まずはエアコンのコンセントを外し、フィルターを外しましょう。多くの場合、エアコンフィルターは一旦上側に押し込めば外せるようになっています。


外したエアコンフィルターのホコリは掃除機で吸い込むのがおすすめです。このとき、ホコリが付着しているのとは逆側から掃除機を当てると、かえって網目にホコリが詰まって汚れてしまいます。必ずホコリが付着している表側に掃除機を当てて、大きなホコリを取り除いておきましょう。

フィルターを洗浄する

続いて、エアコンフィルターの裏側から水を流してフィルターを洗っていきます。シャワーを使い、網目に絡みつくホコリを押し出すようにして洗っていくときれいになります。


網目にホコリが溜まっているときには、ブラシを使って汚れをかき出していきましょう。このとき、強くこすりすぎるとフィルターが破損してしまうので、優しい力で掃除していくのがポイントです。

油汚れを落とす

キッチンなどに設置したエアコンは、フィルターに油汚れが付着してベタついていることがあります。フィルターに油っぽい汚れがついていてなかなか汚れが落ちないときには、中性洗剤を水で薄めて汚れ部分に当て、ブラシでこすって洗ってみてください。


また、重曹を水で薄めて重曹水を作り、スプレーボトルに入れてエアコンフィルターに吹き付けて掃除するのも有効な方法です。


洗剤や重曹を使ってエアコンフィルターを洗ったあとには、十分に洗浄してきれいにしておきましょう。

フィルターを十分乾かす

フィルターを洗って汚れを十分に落としたら、タオルや雑巾で水気を拭き取ります。あとは、日陰干ししてフィルターを十分に乾かしておきましょう。

エアコン内部のケアをしておく

エアコンフィルターを乾かしている間に、エアコン本体を軽く掃除しておくのがおすすめです。エアコン上部や周辺の汚れやホコリを落とし、ルーバーやアルミフィンに絡みついたホコリを掃除機で吸っておきましょう。

フィルターを取り付けて送風運転をする

エアコンフィルターが十分に乾燥したら、取り外したときと同じ手順で取り付け直せばOKです。フィルターを取り付けたあとには30分程度送風運転をして、湿気によるカビの繁殖を防ぎましょう。

フィルター掃除だけなら、意外と簡単に済ませられるんですね。

エアコンフィルターは手軽に外せますし、汚れ落としも比較的簡単です。こまめにエアコンフィルターの掃除をして、清潔な状態にしておくとよいでしょう。

エアコンフィルターを掃除する適切な頻度

エアコンフィルターは頻繁に掃除したほうがいいですか?どれくらいの頻度で掃除するべきなのでしょうか?

エアコンフィルターの掃除頻度は、エアコンの使用時間によって異なります。エアコンの使用頻度を考えながら、お手入れの適切な時期を見極めていきましょう。

毎日長時間エアコンを使っていれば、当然ながらエアコンの汚れは蓄積しやすくなります。しかし、あまりエアコンを使わない時期であればフィルターの汚れもそれほどひどくはなりません。

エアコンフィルターの掃除頻度は、以下のようなポイントをチェックして決めていきましょう。

エアコンを毎日使っているのなら2週間に1回を目安に

真夏の暑い時期や真冬の寒い時期には、一日中エアコンをつけっぱなしにすることもあると思います。1日のうち8時間以上エアコンを使うのであれば、2週間に1度はフィルター掃除をしておきましょう。

エアコンをあまり使わない時期には月に1度のチェックを

エアコンをあまり使わない時期にも、エアコンフィルターは少しずつ汚れていきます。特に、温度が上がる時期にはエアコン内部にカビが発生することもあるので、月に1度はエアコンのカバーを開けて中をチェックしておきましょう。

エアコンシーズン終了後には必ず掃除をしておく

夏から秋へ、冬から春へと切り替わるタイミングでもエアコン掃除をしておきたいものです。エアコンを使用するシーズンが終わるタイミングで掃除しておけば、次のシーズンにも気持ちよくエアコンを使用できます。


エアコンを使わない時期にはカバーを掛けるなど工夫し、汚れの蓄積を防ぎましょう。

エアコンをよく使う時期であれば月に2回程度は掃除したほうがいいんですね。

エアコンをあまり使わない時期であればエアコンフィルターもそれほど汚れません。しかし、毎日長時間エアコンを使っていれば、フィルターはすぐに汚れてしまいます。エアコンフィルター掃除の頻度がわからないのであれば、ときどきカバーを開けてフィルターの汚れ具合をチェックしてみるとよいでしょう。

エアコン掃除をするときには以下のようなポイントに十分気をつけましょう。

怪我をしないよう注意深く作業する

エアコンは高い位置にあるので、フィルターを外すときには怪我に注意しましょう。足場を整えておけば、フィルターのつけ外しをするときの転倒トラブルを防ぐことができます。


また、エアコンの内部には鋭い部品もあるものです。不用意に部品を触ると指を切るなどの怪我をしてしまう可能性があります。また、エアコン掃除が原因で部品が破損すると、エアコンの運転に支障が及んでしまいます。


エアコン内部の汚れがやはり気になることもあると思いますが、奥の方の部品にはできるだけ触らないようにしたほうがよいでしょう。

ホコリが飛散しないよう注意する

エアコンフィルターの掃除中には、フィルターやエアコン本体に付着したホコリが舞い散りやすくなります。ホコリを吸い込むと深刻な健康被害が起きることもあるので、掃除をする際はマスクをつけるのがおすすめです。


また、ホコリの飛散を防ぐために、ビニールなどで覆いながらフィルターを外すなどの工夫も試してみましょう。

エアコンフィルターを十分に乾かす

エアコンフィルターを洗浄したあとには、しっかりと乾かしておきましょう。風通しのよい場所に置いたり、洗濯ピンチに吊り下げたりしておけば、フィルターが乾きやすくなります。


濡れたままのフィルターをエアコンにセットすると、エアコン内部が湿ってカビや汚れの原因となる場合があります。また、エアコンの内部に水分が入り込んで発火や故障といったトラブルが起きることもあるので気を付けたいものです。

エアコンの内部掃除はプロに任せるのがおすすめ

エアコンのアルミフィンや送風ファンの奥をセルフで掃除する方もいるものです。エアコンクリーナーを使えば、エアコン内部をある程度きれいにすることは可能です。


しかし、セルフのエアコン掃除では奥に蓄積した汚れをきれいに取り除くのは難しいものです。場合によってはエアコンの部品を触って怪我をしてしまうおそれもあるので注意しましょう。


また、エアコンクリーナーを使用してはいけないところにかけたことなどが原因でエアコンが故障してしまう恐れもあります。エアコン掃除は見える範囲のみに留めたほうがよいでしょう。


エアコンの奥側の汚れが気になるときには、専門業者にエアコンクリーニングをしてもらうのがおすすめです。

フィルターは自分で掃除できそうですが、本体内部の掃除は難しそうですね。

専門のハウスクリーニング業者に依頼すれば、エアコンを徹底的に洗浄してもらえます。エアコンを使い続けるうちに内部には汚れがかならず蓄積してしまうので、2~3年に1度くらいの頻度で、プロにエアコン洗浄を依頼するのがおすすめです。

エアコンフィルターを掃除しておけばエアコンを清潔に使い続けられます

エアコンを使い続けているとフィルターにホコリが付着して不衛生な状態になってしまいます。エアコンフィルターが汚れていると運転効率も下がってしまうので、こまめにフィルター掃除をして汚れを落としておきましょう。


エアコンの内部汚れが気になるときやエアコンから異臭がするときには、ハウスクリーニング業者にエアコン洗浄をおまかせするのがおすすめです。プロに依頼すればエアコンフィルターやエアコン内部をきれいに洗浄し、清潔に仕上げてもらえます。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。