【専門家監修】ベランダ掃除の基本的な手順や便利なアイテムを詳しく紹介

忙しくてベランダ掃除を怠っていたら、ものすごく汚れてしまいました。どのように掃除すればよいでしょうか?

ベランダ掃除は、「軽めの掃除」を小まめに行って、時々「しっかり掃除」をするのが基本です。手順を守れば効率的に掃除できるので、難しくはありませんよ。必要なアイテムをそろえて、気軽に掃除してみましょう。

ベランダには屋外のゴミが風に運ばれて蓄積します。

鳥のフンや虫の死骸などが落ちていることもあるので、なるべく小まめに掃除するのがおすすめです。


基本の掃除方法を知り、タイミングを決めて掃除するようにしましょう。

ベランダ掃除の基本手順やそろえておくと便利な道具・さらには掃除のコツも紹介します。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

【軽めの掃除】ベランダ掃除の基本的な手順

軽めの掃除でも、いろいろしなければいけないんですね。

そうですね。ベランダは屋外なので、どうしてもゴミやホコリがたくさんたまります。掃除ではゴミやホコリを取りきることが、まずは大切なんですよ。それぞれの手順について紹介しますね。

軽めの掃除では、ベランダ掃除の基本的な手順は五つです。

  • @ベランダを片付ける
  • ほうきで大きめのゴミ・ホコリ等を取る
  • 丸めた新聞紙を水に濡らしてばらまく
  • 新聞紙を集めて捨てる
  • 手すりは重曹水で拭く

一つずつ解説していきます。

ベランダを片付ける

ベランダに不要なものをため込んでいる場合は、まず撤去から始めましょう。

不要なものがあると掃除しにくい上、ゴミやホコリがたまりやすくなってしまいます。


どうしても撤去できないものは隅に寄せるなどをして、掃除しやすい環境を整えましょう。


また、ベランダ掃除では水を使います。濡れて困るものは、いったん他の場所に移しておくと安心です。

ほうきでゴミ・ホコリ等を取る

ベランダには髪の毛やホコリ・落ち葉などがたまっているケースが多々あります。

目に付くゴミはほうきで掃いて取っておきましょう。


家用のほうきを使うと汚れてしまうので、ベランダ専用のほうき・ちりとりをワンセットで購入しておくのがおすすめです。

丸めた新聞紙を水に濡らしてばらまく

ベランダの小さなゴミやホコリは、丸めた新聞紙で取りましょう。

新聞紙を適当な大きさにちぎって丸めて、水に浸してください。

それをベランダにまき、ゴミやホコリの上を転がしましょう。

ほうきで掃けば、ある程度のゴミやホコリはとれます。


しかし、よくよく見ると隅の方には砂や小さな綿ゴミなどが残っているはずです。


完全に取りきるには細い穂先のほうきが必要ですが、小さいほうきではベランダ全体をきれいにするまでに時間がかかってしまいます。


その点丸めた新聞紙なら、濡らして丸めて投げるだけと簡単です。

新聞紙を集めて捨てる

新聞紙をゴミやホコリの上でころがすと、汚れを吸着してくれます。

ベランダ全体をコロコロしたら、ちりとりで新聞紙を集めて捨てましょう。


これでベランダの細かい汚れもきれいになっているはずです。

手すりを拭く

手すり部分も、手垢・ホコリ・ゴミなどで汚れます。

軽めの掃除をするときも、軽く手すりを拭く習慣を付けましょう。


手すりは水拭きでもよいですが、住居用の洗剤だとより一層きれいになります。

手垢が気になる家庭は、重曹と水を合わせた重曹水をつかってもよいでしょう。


手すりを雑巾で拭き上げれば、軽めの掃除は終わりです。

なるほど。掃いて拭くだけと考えれば、そんなに手間ではありませんね。

そうですね。ベランダの広さにもよりますが、数十分で終わるのではないでしょうか。軽めの掃除を小まめにしていれば、汚れもたまりにくくなりますよ。

【しっかり掃除】ベランダ掃除の基本的な手順

軽めの掃除だと、ベランダの床面の汚れが気になります。しっかり掃除も教えてもらえますか?

はい。しっかり掃除は、床面を水で濡らして汚れを落とします。軽めの掃除をした後のプラスアルファとしてやってみてください。しっかり掃除は、軽めの掃除ほど小まめにやる必要はありません。都合のよい日を選んで取り組んでみてください。

しっかりベランダ掃除を行いたい場合の手順は以下の通りです。

  • @手すりの壁は自動車用水垢洗剤を使ってきれいに
  • 重曹水を作る
  • 床面を重曹水で濡らしてこする

軽めの掃除を終えたら、床面の掃除をしましょう。


汚れで黒ずんでいる場合は、力を入れてゴシゴシしてみてください。

手すりの壁は自動車用水垢洗剤を使ってきれいに

手すりの壁には、雨による水垢・カビ等が付着します。

これをきれいにするなら「自動車用水垢洗剤」を使うのがおすすめです。


スプレー式ならそのまま壁に吹き付け、スポンジやクロスでこすりましょう。

その後汚れや洗剤を水で流し、から拭きします。


重曹水を作る

床面は重曹水を使ってきれいにします。


作り方は簡単で、重曹を水に溶かすだけです。

重曹の量は、水1Lに対し大さじ3~4としましょう。


もしも床面の汚れがひどい場合は、重曹を40度以上のお湯に溶かすのがおすすめです。

水の温度が高いほど重曹が溶けやすく、清掃効果が高まります。


重曹水を作ったら、スプレーボトルに詰め替えて、床面に直接吹き付けられるようにしておきましょう。

床面を重曹水で濡らしてこする

重曹水を作ったら、床面に吹き付けます。重曹は汚れを浮かせる効果がある上、研磨効果も持つアイテムです。


重曹で床を濡らすことで、頑固な汚れも落としやすくなります。

力を入れてゴシゴシするなら、デッキブラシが最適です。


ただしベランダの床面が柔らかい素材の場合、床が傷付く恐れがあります。

こするのではなく、やわらかいモップか雑巾で拭き取るのがおすすめです。

【鳥のフン】ベランダ掃除の基本的な手順

ベランダに鳥のフンが落ちていました。どうやって掃除したらよいでしょうか?

鳥は、フンをした場所に戻ってくる性質があります。鳥のフンを見つけたら、なるべく早めに取り除きましょう。鳥のフンの適切な掃除方法を紹介します。


鳥のフンを掃除する手順を紹介します。

  • @装備を調える
  • アルコールを吹き付けてフンを拭き取る
  • 乾いたフンは水分で取れやすくしてから

ベランダに落ちた鳥のフンは見栄えが悪いうえ、衛生面での不安があります。

掃除の準備を整えて、早急に対処しましょう。

装備を調える

鳥のフンを掃除するときは、マスク・手袋の装着が必須です。

鳥のフンには病気や菌が含まれているケースがあり、処理は慎重に行わなければなりません。


掃除では普段使いの掃除道具は使わず、廃棄できる道具をそろえましょう。

アルコールを吹き付けてフンを拭き取る

掃除の準備が整ったら、鳥のフンにアルコールスプレーを吹き付けます。

それからキッチンペーパーや古布等で拭き取り、ゴミ袋に入れてください。


除去した部位には塩素系の洗剤を塗布し、ペーパータオルでしっかり拭きとります。

フンが既に乾いている場合は、ぬるま湯でふやかすと取れやすくなります。

鳥のフンで健康被害を受けることもあるんですね。

はい。重曹とクエン酸を使うと、簡単に掃除できますよ。掃除の手順を紹介します。

ベランダの排水溝を掃除する際の基本的な手順は以下の通りです。

  • 大きな汚れを取り除く
  • 排水溝に重曹・クエン酸水を振り掛ける
  • 汚れをこすり落とす

頻繁に掃除をする場所ではないかもしれませんが、以外に簡単にできます。

大きな汚れを取り除く

排水溝の周辺には、ゴミがたまりがちです。

手で取り除けるものは手を使い、細かい汚れはほうきで掃いて取り除きましょう。


手でもほうきでも取り除けないよごれは、雑巾やクロスなどでこそぎとるときれいになります。

排水溝に重曹・クエン酸水を振り掛ける

排水溝全体に、重曹を振り掛けます。

排水溝を覆うほどたっぷりと振り掛けたら、その上からクエン酸液をスプレーします。

クエン酸液は、水200mlに小さじ1杯のクエン酸を溶かしたものです。


重曹に吹き付けると発泡し、汚れを浮かせる効果があります。

汚れをこすり落とす

汚れが浮き上がってきたら、ブラシで汚れをこすり落とします。

細かい部分の汚れは、歯ブラシや小さめのブラシを使うとよいでしょう。


目立つ汚れが落ちたら、ペットボトルなどで水を掛け、洗剤や汚れを洗い落としてください。

重曹とクエン酸の泡で、排水溝の汚れを簡単に落とせるのですね。

はい。重曹は弱アルカリ性で、クエン酸は酸性の性質を持ちます。合わせると中和反応が起こって、発泡するんですよ。お風呂やキッチンの排水溝にも使えるので、覚えておくと弁です。

ベランダ掃除に使える便利なアイテム

早速ベランダ掃除をしてみたくなりました!どのような掃除道具をそろえておけばよいでしょうか?

ベランダ掃除では、いつもの掃除アイテムと重曹やクエン酸などのナチュラル素材があるとよいですね。もちろん、ほうきや雑巾など、掃除の基本アイテムも必要です。

ベランダ掃除を始める前に、必要な道具をそろえておきましょう。


後で「あれがない」「これがない」とならないよう、チェックリストを作っておくのがおすすめです。

ほうき・ちりとり

ほうき・ちりとりは、ベランダの大きなゴミやホコリを取り除くために使います。

家用とは区別して、ベランダ専用のものを置いておくのがおすすめです。


また、幅の狭いベランダ掃除専用のほうきがあると、側溝掃除がグンと楽になるでしょう。

重曹・セスキ炭酸ソーダ・クエン酸

いずれも自然に近い成分で、環境に優しい素材です。

重曹・セスキ炭酸ソーダはアルカリ性、クエン酸は酸性なので、汚れの性質を踏まえて使い分けましょう。


手垢や皮脂汚れなどは、重曹・セスキ炭酸ソーダ、水垢・雨だれなどはクエン酸がおすすめです。


特に重曹は使い勝手がよく、直接汚れに振り掛けたり水で薄めて重曹水として使ったりできます。

クロス・雑巾

手すりを拭くときは、クロスや雑巾が必要です。

久しぶりに掃除するときは布地が真っ黒になる恐れがあるので、廃棄してもよいものを用意しましょう。


また、ベランダ掃除のついでに窓掃除もする場合は、クロス・雑巾を多めに用意しておくと安心です。

デッキブラシ

柄が長いのでかがむ必要がなく、楽な姿勢で掃除できます。

ブラシの素材はさまざまありますが、お手入れのしやすさや強度を考えれば、ナイロン製がよいでしょう。


ただしベランダの床面によっては、デッキブラシを使うと傷が入る恐れがあります。


問題なく使えるかどうか、まずは目立たない部分で試すのがおすすめです。

新聞紙

新聞紙は、ホコリ・ゴミ取りに使います。


掃除機と違って稼働音が出ないので、集合住宅でも使いやすいのがメリットです。

掃除後はそのまま捨てられるので、お手入れがいらないのもうれしいポイントです。

洗剤

あまりにも頑固な汚れだと、ナチュラル素材では落としきれないケースがあります。


ベランダの汚れ具合がひどい場合は、専用洗剤を使う方が効率的です。


近年はベランダ掃除専用の洗剤もさまざまあります。

泡が立ちすぎず泡切れがよいものを選べば、床面の掃除に重宝するでしょう。

デッキブラシやベランダ掃除専用の洗剤があると、便利そうですね。

ベランダの汚れがひどい場合は、1度徹底的に掃除しておきたいところです。デッキブラシや専用洗剤は、持っておくと役立ちますよ。

ベランダ掃除の適切な頻度やタイミング

ベランダは、どのくらいの頻度で掃除すればよいのでしょうか?また、掃除に適したタイミングはありますか?

ベランダ掃除は、軽めの掃除は月に1回、少し頑張る掃除は3カ月に1回、本気の大掃除は年に1回がおすすめです。小まめに掃除するほど、1回の掃除が楽になりますよ。

ベランダをきれいに保つなら、定期的な掃除は必須です。

天候も考慮して、ベストなタイミングを狙いましょう。


ベランダ掃除におすすめの頻度・タイミングを紹介します。

簡単な掃除は月に2~3回

ベランダ掃除に手が回らない場合でも、1カ月に2~3回は簡単に掃除するのが望ましいでしょう。


ベランダは屋外の空気にさらされており、ゴミや花粉・ホコリなどがたまります。


立地によっては排気ガスが上がってくることもあり、すぐに汚れてしまうのです。

少し頑張るのは3カ月に1回

3カ月に1回は、軽めの掃除に加えて排水溝の汚れも取っておきたいところです。


排水溝に落ち葉やゴミがたまると、雨の日に水が流れなくなってしまいます。ベランダが氾濫して、水浸しになってしまうかもしれません。


とはいえ、ゴミ・ホコリの量は季節によって異なります。

3カ月たっていなくても、排水溝が汚れていると感じたらすぐに掃除するのがおすすめです。

大掃除は年1回

ベランダの床面をピカピカにする大掃除は、年に1回程度でよいでしょう。


「年末に窓やサッシをきれいにする」と決めている家庭は、同じタイミングで床面まで掃除すれば手間が掛かりません。


床面にこびり付いた汚れはもちろん、カビやコケまでこすり落とし、きれいにしておきましょう。

今にも雨が降り出しそうな日が掃除のベストタイミング

ベランダ掃除にちょうどよいのは、湿気が多く今にも雨が降り出しそうな天気です。


快晴の日は空気が乾燥しやすく、ホコリが舞い散りやすくなります。

ほうきでゴミを掃いても空中に舞い上がり、思うようにゴミが取れません。

空気が湿気を含んで重くなっている方が、掃除には都合がよいのです。


また、薄曇りの日は日光が弱く、熱中症の心配がないのもメリットです。

さんさんと照りつける太陽を見て「掃除にぴったりの日!」と考える人も多くいますが、快晴・好天の日はベランダ掃除には向きません。

ベランダは屋外だから、小まめな掃除が必要なんですね。

その通りです。空気中のゴミがベランダに落ちてくるので、小まめに掃除する必要があります。排水溝が詰まると後処理が大変なので、ゴミを詰まらせないようにしておきたいですね。

ベランダを掃除するときの注意点

ベランダを掃除するとき、気を付けた方がよいことはありますか?

そうですね。集合住宅の場合は、規約をチェックしたり近所に配慮したりする必要があります。また、鳥の巣があった場合は、自分で撤去しないように注意しましょう。

ベランダは屋外なので、近所への配慮が必要です。


また規約の内容によって掃除方法も変わるので、事前にチェックしておきましょう。

ベランダ掃除で、気を付けたいポイントを紹介します。

マンションの場合は規約を確認する

集合住宅によっては「ベランダで大量の水を流してはいけない」という規約を設けていることがあります。


床面の大掃除をするときは、事前に規約を確認しましょう。


集合住宅の場合、一つの家が大量の水を流すと、両隣まで水が流れる恐れがあります。

相手が不快に感じれば近所トラブルに発展しかねません。


規約で大量の水を流すのが禁止されている場合は、掃き掃除をした後、濡らした雑巾で拭く等に留めましょう。

鳥の巣には触らない

自治体によっては、ベランダの鳥の巣を勝手に撤去してはいけないという決まりがあります。


ベランダに何かの巣があってヒナがいるような場合は、まず自治体に相談しましょう。


勝手に撤去すると、鳥獣保護法に抵触する恐れがあります。

加えて、鳥の巣はフン同様に病気や菌に汚染されている可能性があります。


自分で撤去してよい場合でも、無理をせず駆除業者に依頼するのがベターでしょう。

水漏れ

集合住宅の場合、ベランダに水をまくと、階下に水漏れをしてトラブルとなることがあります。


原因が何であれ「管理不十分によるもの」とみなされれば、住人の責任は免れません。

設備の修繕費などの、多額のコストがかかる恐れがあります。


住宅の建築年数が古かったり、ベランダにひび割れが見られたりする場合は、大量の水を流すのは控えた方がよいでしょう。

なるほど。集合住宅のベランダは、いろいろと制限が多そうですね。掃除の前に、管理会社に問い合わせてみたいと思います。鳥の巣についても、まずは自治体に相談します!

そうですね。何かトラブルがあってからでは遅いので、何ごとも事前に相談するのがおすすめですよ。

ベランダ掃除はプロに任せると安心

ベランダは、小まめに掃除してゴミやホコリをためないようにすることが大切です。


1カ月に数回は掃き掃除をして、きれいにしておきましょう。


「今現在、すでにものすごく汚れている」という家庭は、まずプロの掃除業者に依頼しましょう。


プロはベランダ掃除に特化した洗剤やツールを持っているので、見違えるようにきれいにしてます。


1度ベランダを徹底的にきれいにしてもらえば、大きな掃除は年1回程度で済みます。

忙しい人でも、きれいなベランダを維持しやすくなるでしょう。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。