フローリング

【専門家監修】フローリング掃除の正しいやり方や汚れを落とすテクニック

フローリングをきちんと掃除しているつもりでも、すぐに細かいゴミや髪の毛が落ちて汚れてしまうのが悩みです。効率的な掃除方法はありますか?

フローリングは汚れやゴミなどが目立ちやすいので、こまめに掃除しておくことが大切です。掃除機に加え、フローリングワイパーやモップなどを用意しておけば気付いたときに手軽に掃除でき便利です。

現在では、ほとんどの住宅にフローリングのフロアが採用されています。フローリングは汚れやゴミが目立ちやすく、掃除を怠っているとすぐに汚れてしまうので、こまめに掃除しておきましょう。


頻繁にフローリングの掃除をすることをおっくうに感じる方もいるかもしれません。また、フローリングの最適な掃除頻度がわからないとう方もいることでしょう。


そこで今回は、フローリングの適切な掃除方法や掃除の頻度について解説していきます。また、フローリング掃除で気をつけたいポイントについてもご説明しますので、ぜひチェックしてみてください。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

フローリングの掃除を行う頻度

フローリング掃除は毎日やらなければいけませんか?

必ずしも毎日掃除しなければならないということはありません。とはいえ、フローリングは油断しているとすぐに汚れてしまうので、こまめに掃除するよう気を付けておいたほうがよいでしょう。

ニュースサイト「マイナビニュース」が会員400名に対しておこなったアンケートによると、フローリングの掃き掃除や拭き掃除をほぼ毎日している人は約15%に及びました。


なお、フローリングの掃除を週に1~2回する人は全体の約40%、週に3~6回する人は約12%でした。残りの約33%の人の掃除頻度は2週間に1回以下となっています。


フローリングの汚れ方は家庭によって差があります。


家族が多い場合や在宅時間が長い場合には、当然ながらフローリングは汚れやすくなります。こういった家庭であれば、最低でも3日に1回程度はフローリング掃除をしておきたいものです。


逆に、一人暮らしや二人暮らしで日中は留守にしているという場合であれば、フローリングはそれほど汚れません。それほど汚れないのであれば、フローリングの掃除は1週間に1回程度でも問題ないでしょう。


とはいえ、フローリングを一週間以上掃除せずに放置すると、ホコリやチリ、髪の毛などの汚れが増えてしまいます。こうなってしまうと室内の見た目も悪くなりますし、舞い上がったホコリを吸い込んだことによるアレルギー症状などの健康被害も起きやすくなります。


フローリングが汚れていると、急にお客様が来たときに焦ってしまうこともあるかもしれません。


毎日、あるいは2日に1回程度簡単な掃除をするよう習慣づけておけば、清潔な状態を保てます。簡単な掃除をこまめにおこない、時間があるときにしっかりと掃除をするようなサイクルを心がけるのがおすすめです。


日々のフローリング掃除は、軽くフローリングワイパーや掃除機をかける程度で十分です。これに加え、月に1~3回程度フローリングを水拭きしておきましょう。


なお、無垢フローリングの場合には年に1回程度の再塗装やワックスがけが必要となります。時間があるときに床を念入りに掃除し、オイル塗装やワックスできれいに仕上げていきましょう。ウレタン塗装のフローリングの場合には再塗装の必要はありません。

フローリング掃除の頻度は人によってそんなにも違うんですね。

中にはほとんど床掃除をしないという人もいますが、掃除を怠ると室内は不衛生な状態になってしまいます。できれば週に数回程度はフローリング掃除をしておきたいですね。


フローリング掃除の正しいやり方

フローリングの掃除では、フローリングワイパーと掃除機のどちらを使えばいいですか?正しい手順はありますか?

フローリングをきれいに掃除するためには、正しい手順を把握しておくことが大切です。手順を間違えると、せっかく掃除しても細かいホコリやゴミが残ってしまうことがあるので注意しましょう。

以下のような手順で掃除を進めれば、フローリングをきれいに仕上げることができます。

  1. フローリングにものを置いていない状態にする
  2. フローリングワイパーでホコリやゴミを除去する
  3. フローリングに掃除機をかける
  4. フローリングの水拭きをする

具体的な掃除の方法をチェックしていきましょう。

フローリングにものを置いていない状態にする

床にいろいろなものを置いていると、フローリングワイパーや掃除機をスムーズに使えません。また、置きっぱなしのものの下にホコリが溜まってしまうこともあります。


まずは室内のものを片付けて、できるだけ広いフローリングのスペースを確保しましょう。


椅子やスツール、座布団やクッションなどをフローリングに置いているときには、別の場所に移動させるか机の上などに上げてしまうのがおすすめです。

フローリングワイパーでホコリやゴミを除去する

フローリング掃除をするときにはじめから掃除機をかけると、掃除機からの排気によって細かいホコリが舞い上がり、かえって室内が汚れてしまいます。舞い上がったホコリはしばらくすると床に落ちるため、掃除を終えたあとにもフローリングに細かい汚れが残ってしまうのです。


まずは、フローリングに落ちている目立つゴミやホコリを除去していきます。このときフローリングワイパーにはドライシートをつけておくとよいでしょう。モップやホウキなどがあれば、そういったアイテムを使っても構いません。


フローリングワイパーやモップは遠くから近くに向かって動かし、ホコリやゴミを引き寄せるようにするときれいになります。

フローリングに掃除機をかける

フローリングワイパーでフローリングをある程度きれいにしたら、掃除機をかけていきましょう。


掃除機のヘッド部分をフローリングにぴったりとつけ、ゆっくりと押し引きして汚れを丁寧に吸い込んでいくのが、フローリングをきれいに掃除するためのポイントです。このとき、フローリングの目地に沿って掃除機を動かすようにすると、細かい汚れもきれいに除去できます。


部屋の隅や壁際、サッシの境目などにはゴミが溜まってしまいやすいで念入りに掃除機をかけておきましょう。うまく掃除できないときには細口のノズルやブラシノズルなどのアタッチメントに切り替えるのもおすすめの方法です。

フローリングの水拭きをする

掃除機をかけたあとに細かい汚れが残っているときには、フローリングを水拭きしておきます。


雑巾を水でギュッと絞って、フローリングを丁寧に拭き掃除していきましょう。雑巾をあまり絞らずに拭き掃除をすると、フローリングに水分が浸透して床材の傷みが起きることがあります。


また、ウェットシートをフローリングワイパーに付けて拭き掃除をするのもおすすめです。

フローリングにシミ汚れができているときには、汚れに洗剤をつけて落としておきます。

拭き掃除を終えたら最後に乾拭きをして仕上げ、換気をしてフローリングをしっかり乾かしておきましょう。

先にフローリングワイパーをかけてから掃除機を使ったほうがいいんですね。

先に掃除機をかけるとホコリが舞い上がってしまうため、掃除をするときにはまずフローリングワイパーをつかうのがおすすめです。なお、拭き掃除は毎回でなくても構いません。汚れが気になったタイミングでフローリングを拭き上げておきましょう。

フローリングの汚れの種類と落とすコツ

フローリングにシミの汚れがあり、少し拭いただけでは落とせそうにありません。どのように掃除したらいいですか?

フローリングのシミ汚れにはそれぞれ原因があるので、汚れの原因に応じた掃除をする必要があります。


ここからは、皮脂汚れやベタつき汚れ、水垢汚れ、白っぽい汚れや黒ずみ汚れの原因や掃除方法を見ていきましょう。

皮脂汚れ

フローリングを素足で歩いていると、足裏の油汚れが付着してしまいます。


フローリングが皮脂汚れでベタベタしているときには、雑巾に中性洗剤を少量つけて拭き掃除をしましょう。その後、水拭きをしてから乾拭きで仕上げれば、皮脂汚れをすっきりと落とせます。

ベタついた汚れ

キッチンやダイニングのフローリングには、油っぽいベタつき汚れが起きることがあります。


ベタつき汚れの大きな原因は食べこぼしや調理中の汚れです。食べ物のカスがフローリングに落ちたままになっているとベタついて取れなくなってしまうだけでなく、虫が湧いたりカビが生えたりする原因になることもあるので注意しましょう。


床にベタついた汚れがあるときにはお湯で絞った雑巾で拭き上げていきます。油汚れがあるときには雑巾に中性洗剤を含ませ拭いたあと、水拭きと乾拭きをしておきましょう。

水垢汚れ

キッチンや洗面所などの水回りの床には水垢汚れが付着することがあります。


フローリングに水垢が染み込んでしまった場合には、クエン酸を使って掃除していきましょう。


クエン酸系のクリーナーで床を水拭きし、最後に洗剤成分を拭き取れば水垢をきれいに落とせます。水とクエン酸の粉末をスプレーボトルに入れてよく溶かし、吹きつけて掃除するのもおすすめです。

白っぽい汚れ

フローリングに付着する白っぽい汚れの原因はいくつか考えられます。


たとえば湿気が多い時期には、フローリングに白っぽいカビのシミができてしまうことがあります。また、キッチンのフローリングに洗剤や消毒液が落ち、白っぽい汚れになってしまうこともあります。


カーペットやマットレスの裏側のゴムがフローリングに張り付いたり、ワックスが剥がれたりするのも、白っぽい汚れの原因です。


白っぽい汚れがあるときには念入りな拭き掃除で落としていきましょう。ワックス剥離液でフローリングの汚れを落とし、再度ワックスをつけて掃除するという方法もあります。

黒ずんだ汚れ

フローリングに黒ずんだ汚れがある場合、その原因はカビ汚れかもしれません。


特に、梅雨の時期には室内の湿度が高い状態の日が多く、カビが発生してフローリングが黒ずんでしまう場合があります。


黒いカビ汚れがあるときにはエタノールか市販のカビ取り剤を使ってフローリングの掃除をしていきましょう。汚れの部分に薬剤を吹きかけ、濡らした雑巾でこすれば汚れがきれいに落ちていきます。


エタノールやカビ取り剤を吹きかけたまま放置するとフローリングのワックスが溶けて床材が傷んでしまうことがあります。薬剤を吹きつけたあとにはすぐに拭き掃除をして仕上げましょう。

シミ汚れの種類によって掃除方法が異なるということがよくわかりました。

フローリングに落としにくい汚れがあるときには、まずは汚れの原因を特定するとよいでしょう。多くのシミ汚れは洗剤を使えばきれいに落とせますが、中にはセルフの掃除ではうまく落とせない汚れもあります。しつこい汚れがあるときには、ハウスクリーニングを利用してみるのもいいかもしれません。

フローリングの掃除で注意すること

フローリング掃除で気をつけたほうがいいポイントはありますか?

フローリングの掃除方法を間違えると床材が傷んでしまうことがあります。フローリングに傷をつけないためにも、注意点を把握して正しい方法で掃除しましょう。

フローリングの素材にはいくつか種類があり、適切な掃除方法が異なります。間違った洗剤や掃除アイテムを使うと、フローリングが傷ついてしまうことがあるので気を付けましょう。


ここからは、フローリング掃除の際に気を付けておきたいポイントをご紹介いたします。

フローリングを濡らしすぎない

フローリングの素材は木なので、濡らしすぎると変質が起きることがあります。特に、無垢材のフローリングに過度の水分を含ませると、床材が反ってしまったりカビ汚れが発生したりすることがあるので気を付けましょう。


きれい好きの方は、フローリングを毎日拭き掃除したいと考えるかもしれません。しかし、フローリングを毎日水拭きするとワックスが剥がれやすくなり、フローリングに水分が染み込んで床が痛みやすくなってしまいます。


フローリングの拭き掃除は多くとも週1回程度に留めたほうがよいでしょう。また、拭き掃除のあとには乾拭きをし、換気をしてフローリングを乾かしておくことが大切です。

薬剤を使ったときには拭き取って落とす

フローリングを中性洗剤やカビ取り剤、重曹やクエン酸などで掃除すれば気になる汚れを効果的に落とせます。ただし、これらのアイテムを使って掃除をしたときには、薬剤をきれいに拭き落としておく必要があります。


フローリングに薬剤が残ったままだと、床材が傷んでしまいます。場合によってはワックスコーティングが部分的に剥げるなどのトラブルが起きることもあるので注意が必要です。


床掃除に薬剤を使ったときには水拭きで薬剤を落とし、最後に乾拭きで水気を取って仕上げていきましょう。

粘着ローラーはフローリング用のものを選ぶ

フローリングの汚れが気になるときに粘着ローラー(コロコロ)を使って掃除する方もいます。しかし、粘着力が強すぎるローラーを使うと、フローリングに貼り付いて取れなくなってしまうので気を付けましょう。


ホームセンターなどでは、粘着力が弱くフローリングを傷めないタイプの粘着ローラーが販売されています。フローリングで粘着ローラーを使いたい場合には、こういった専用のアイテムを選びましょう。

スチームクリーナーの使用にも注意が必要

スチームクリーナーを使ってフローリングを掃除しようと考える方もいるかもしれません。しかし、スチームクリーナーは熱を発するため、フローリングの素材によってはひび割れや膨れ、変色などのトラブルが起きることがあります。


フローリング掃除にスチームクリーナーを使うのはできるだけ避けましょう。

フローリングが傷んでしまうのは困りますね。

正しい方法で掃除をすればフローリングをきれいな状態に保てます。もしもフローリング掃除に自信がない場合には、ハウスクリーニングを頼んできれいにしてもらうのもいいかもしれません。

フローリングの汚れをきれいに掃除し、室内を清潔にしておきましょう

フローリングはカーペットや畳に比べると掃除しやすい床材といえます。しかし、毎日掃除するのが面倒で、ついあと回しになってしまうこともあると思います。


フローリングを手軽にきれいにしたいときには、専門業者のハウスクリーニングを活用しましょう。ハウスクリーニング業者は専用の薬剤を使ってフローリングを丁寧に掃除し、ワックスがけをしてきれいに仕上げてくれます。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。