【専門家監修】エアコンクリーニングの頻度はどれくらい?適切な回数を解説
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エアコンはクリーニングが必要と聞きました。夏や冬のよく使うシーズン毎に業者に依頼した方がいいのでしょうか?
いいえ、そこまで頻繁にクリーニングをする必要はありません。使用環境に左右されますが、1年~2年に1回くらいの頻度で行うものだと考えておきましょう。
快適で安全にエアコンを使うためには、定期的なクリーニングが必要です。ご家庭で掃除をすることも可能ですが、数年に1度は業者に依頼して内部までクリーニングするとよいでしょう。
この記事ではエアコンクリーニングの頻度やタイミングについてお話します。クリーニング頻度を下げる小技やクリーニングが必要となるサインについても解説しますので、ぜひお読みください。
小原 匡人
早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。
エアコンクリーニングは年に1回がベスト
エアコンクリーニングはどれくらいの頻度でしたほうがいいのでしょうか?
1年~2年に1回くらいの頻度がおすすめです。最近は夏の暑さが厳しく、エアコンを使う時間も長くなっているので、1年に1回のクリーニングでも多すぎることはありません。
エアコンクリーニングは、よく使うエアコンなら年に1回が理想です。しかし、使用状況や室内の環境、家族構成によってはもっと少なくてよいこともあります。環境別におすすめのクリーニング頻度をまとめましたので参考にしてください。
使用している時間が長く、汚れやすい場所にあるエアコンは1年に1回を目安にした方が安心です。また、赤ちゃんや高齢者、気管支が弱い人、アレルギー体質の人がいるご家庭も1年に1回程度のクリーニングをおすすめします。
1年か2年に1回の大掃除という感覚でよいわけですね。少し安心しました。
そうですね。エアコン内部はフィルターほど汚れないので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。しかし、放置しすぎもよくありませんので、最後にクリーニングした日が分かるようにするとよいですね。
エアコンクリーニングに適している時期は?
エアコンクリーニングをするタイミングはいつがいいのですか?
エアコンを使い始める前か、使用がひと段落したタイミングがおすすめです。「エアコンを使う前にクリーニングする」と考えておくと忘れずに済むと思います。
エアコンの内部は使っていなくてもホコリがたまります。カビも繁殖しやすいため、頻繁に使う季節に入る前にクリーニングするようにしましょう。夏場(6月後半~8月後半)はクリーニングの依頼が殺到し、予約も取りにくく料金も割高になるので避けた方がよいです。
また、冷房のみの使用と冷暖房両方で使用する場合でクリーニングに適したタイミングは違います。
冷房のみ使っている場合は4月前後がおすすめ
エアコンを夏場にだけ使う場合は、除湿や冷房を使い始める前の4月~5月がおすすめです。遅くても梅雨に入り始める6月までには済ませておきましょう。
この時期は春にとんだ花粉がエアコンに残っていることもあります。クリーニングをすれば内部に溜まった汚れと一緒に花粉も除去でき、アレルギー体質の人がいても安心して使えます。
暖房も使う場合は10月前後がおすすめ
冷房に加えて暖房も使う場合は10月くらいのクリーニングがおすすめです。梅雨と夏の湿気と暑さで増えたカビや、秋にとんだ花粉も除去できて閉め切ることが多い冬でも快適に使えるようになります。
10月くらいにクリーニングをしておけば、年末年始も気持ちのよい空気で迎えられますね。
春と秋は割引も多い
春は夏場の依頼を分散させる目的で、クリーニングの割引キャンペーンを始める業者が多いです。
秋は繁忙期が終わり、依頼が減ってきます。年末の大掃除で増加する依頼の分散や、宣伝も兼ねてこの時期も割引キャンペーンが多いです。
安くても1台10,000円前後かかるクリーニング代を大幅に節約するチャンスですので、ぜひ利用してみてください。
春か秋にクリーニングするのがよさそうですね。この時期ならエアコンが止まる時間ができても問題なさそうです。
そうですね。春か秋の定期的なクリーニング基本ですが、それとは別に汚れや臭いが気になったときもクリーニングをしたほうがよいです。環境によっては年に1回のクリーニングでも追いつかない場合があります。
エアコンクリーニングが必要なタイミングの見極め方
定期的なクリーニングのほかにも、クリーニングをしたほうがいい症状はありますか?
エアコン使用中に普段と違う音やニオイがするときや、目に見えて汚れているときはクリーニングをしたほうがよいです。そのまま使い続けると健康被害が出る可能性もあります。
エアコンは使用する気候や環境によって汚れやカビが溜まりやすくなります。クリーニング予定の時期ではなくても、以下のような症状が現れたら要注意です。早めにお掃除をし、それでも改善しない場合はクリーニングをしましょう。
吹き出し口やルーバーに黒い汚れがある
吹き出し口やルーバーにある黒い汚れは、カビが原因です。外側の部品にまでカビが繁殖している場合、エアコンの内部はさらに大量のカビで埋め尽くされていることが考えられます。
早めにクリーニングを行ってアレルギー症状や気管支炎などの健康被害を防ぎましょう。
送風ファンに汚れやホコリが目立つ
吹き出し口から中を覗くと送風ファンが見えます。その送風ファンに汚れやホコリなどの付着物がたくさんついているとカビを繁殖させてしまうので、早めにお掃除が必要です。送風ファンは綿棒や細長い道具を使えばご自分でも掃除ができます。しかし完全に汚れを除去するのは難しいです。汚れが酷い場合はクリーニングを依頼しましょう。
エアコンを稼働すると嫌な臭いがする
エアコンを動かして風が出始めると、一緒に嫌な臭いが部屋に充満する…
そんな症状が出たときもクリーニングしましょう。エアコンの嫌な臭いの原因は、多くの場合エアコンの内側に発生しているカビです。目には見えませんが、風と一緒にカビの胞子もまき散らされています。
臭いがしていなくても、エアコンを使うとくしゃみや咳、涙や湿疹などのアレルギー症状がみられる場合も要注意です。
なかなか部屋が冷えない、暖まらない
エアコンの効きが悪い原因は、熱交換器の汚れやフィルターの目詰まりです。フィルターの汚れならご自分でも掃除できますが、掃除をしても効きが悪い場合は熱交換器に問題があるのかもしれません。熱交換器の掃除は専門的な技術や知識がないと難しいので、一度プロに診断してもらってから必要であればクリーニングしましょう。
汚れが気になったときや、使っていて違和感があったらクリーニングをした方がよさそうですね。
はい。エアコンは見えない部分から汚れていきます。目に見えて汚れていたり、使用中に不快感がでたりするのは危険なサインです。「おかしいな?」と感じたらプロに相談した方がよいでしょう。
エアコンクリーニングの頻度を下げる5つの正しい使い方
エアコンのクリーニングを頻繁に依頼するとお金がかかりすぎてしまいます。クリーニングの回数を減らすコツはありますか?
エアコンにカビや汚れを溜めない正しい使い方が、クリーニングの回数を減らすことに繋がります。こまめなお掃除とエアコン内部の乾燥を意識するだけで大きな差がでるでしょう。
エアコンクリーニングが必要な理由は、内部の見えない部分に溜まる汚れやカビです。汚れとカビが増えにくい環境を作れば、エアコンクリーニングの頻度は自然と下がります。5つのコツを解説しますので、ぜひ実践してください。
冷房使用後は送風運転をする
冷房や除湿運転をした場合エアコンの内部には結露が発生し、湿気が溜まります。この湿気と汚れが結びつくとカビの温床になってしまうので、冷房を使ったら送風で1時間~2時間ほど運転しましょう。
送風運転をするとエアコン内部が乾燥します。カビの発生を完璧に防げるものではありませんが、増殖を抑制することは可能です。内部乾燥機能が付いているエアコンは送風運転の必要がありません。
フィルター掃除は2週間ごとに行う
エアコンのフィルターは室内に漂うホコリや汚れ、ペットの毛などさまざまな物質をキャッチするものです。目詰まりすると取りきれなかった汚れが内部に侵入し、掃除が難しい部分に溜まり、カビの繁殖を促してしまいます。
2週間をめどにフィルター掃除を行えば内部に溜まる汚れを減らせます。エアコンの空調効果も維持できるのでこまめなお掃除を心がけましょう。
室内に汚れを溜めない
エアコンは室内の空気を取り込み、フィルターや熱交換器を通って吹き出すシステムです。そのため、室内に汚れが溜まっているとフィルターはすぐに汚れ、内部にも汚れやホコリが溜まりやすくなります。
とくにペットがいる部屋、ホコリが多い部屋、煙草のヤニが発生する部屋は汚れが増えます。室内をきれいにすればエアコンが吸い込む汚れの量も減り、クリーニングの頻度も下がるでしょう。
使わない時期も送風運転をする
春や秋にはエアコンをほとんど使わなくなります。しかし、ホコリは隙間から内部に入ってそこに付着していたカビが繁殖します。それを防ぐために、月に1回程度は送風運転をしましょう。1時間~2時間送風運転をすれば次にエアコンを使うときも安心です。
この時に重要なのは窓を開けること。締め切ったままだと室内にカビやホコリがとどまったままになってしまいます。
お掃除機能付きエアコンも掃除する
お掃除機能付きエアコンもじつは掃除が必要なことがあります。エアコンのお掃除機能は、多くの場合フィルターの自動清掃機能のことです。
フィルターについた汚れの処理は「ダストボックスに溜める」「屋外に排出する」の2タイプがあります。ダストボックス式の場合は、ボックス内を掃除しないといけません。
ホコリや汚れが溜まりすぎるとフィルターが目詰まりしたり、お掃除機能を発揮しなくなったりします。
こまめなお掃除と送風運転が鍵ですね!
その通りです。とくにフィルターの掃除は2週間にこだわらず、できる限りまめに行った方がよいです。汚れが溜まっていなければ掃除機で吸い取るだけでもきれいになります。
エアコンクリーニングは年に1回がベスト!こまめな掃除できれいを維持しよう
エアコンクリーニングは1年~2年に1回が最適と言われています。しかし、近年は夏の暑さが長引き、冷房を使う時間が増えました。使うほど汚れるのがエアコンですので、使用頻度が高い場合は1年に1回のクリーニングがおすすめです。
こまめに掃除をしていればクリーニング後のきれいな状態を維持しやすくなります。クリーニング頻度も減らすことができるので、ぜひ定期的な掃除も実践してみてください。
小原 匡人
早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。
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