洗濯機

【専門家監修】洗濯機の掃除方法や行うタイミング・洗剤の種類を詳しく紹介

最近洗濯物がなんとなく臭うのが気になります。洗濯機の汚れが原因なのでしょうか?

洗濯物のニオイが気になるという場合、その原因は洗濯槽の汚れにあるのかもしれません。清潔な衣服を気持ちよく着るためにも、洗濯機はこまめに掃除しておきましょう。

洗濯機は使い続けるうちにどんどん汚れて不衛生な状態になってしまいます。


洗濯機は、内側を覗き込んだ限りはきれいに見えるかもしれません。しかし、洗濯槽の見えない裏側部分にはぎっしりと汚れがこびりついている可能性もあります。汚れた洗濯機で洗濯をすると、洗濯物に汚れやニオイが移ってしまうので気を付けたいものです。


洗濯機を定期的に掃除していれば汚れやニオイといった洗濯トラブルがなくなり、衣類の清潔さをキープできます。今回は、洗濯機をきれいに掃除する方法や、洗濯槽掃除の最適なタイミングについて解説いたします。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

洗濯機の基本的な掃除方法や洗剤の選び方

洗濯機を掃除する方法は大きく分けて4つあります。

  1. 塩素系クリーナーを使う
  2. 酸素系クリーナーを使う
  3. 重曹を使う
  4. 洗濯機掃除を業者依頼するという方法もある

洗濯槽の裏側に発生する汚れの大きな原因は、湿気の多い洗濯機に発生するカビです。洗濯槽の裏側は通気性が悪いため、洗濯で使用した水気が原因となってカビや汚れがどんどん増殖してしまうのです。


洗濯機に入れる衣類には汗や皮脂の汚れや食べカスや繊維くず、ホコリなどさまざまな汚れがついています。洗濯をするときには洗濯機に洗剤カスや水垢などが付着します。これらの汚れは、洗濯槽に発生するカビにとって絶好のエサとなるのです。


また、洗濯にお風呂に使用したお湯を再利用している場合には、お湯に溶け出していた垢や菌などが洗濯槽に移って汚れとなってしまうこともあります。


洗濯槽の見えない位置に蓄積してしまったカビや汚れは、放置していると落とせなくなってしまうので気を付けましょう。汚れの蓄積を防ぐためには、こまめに洗濯機掃除をしておくことがなによりも大切です。

できれば手間をかけずに洗濯機をきれいにしたいです。おすすめの方法はどれですか?

洗濯槽をきれいに掃除するテクニックはいくつもあります。仕事や家事で毎日忙しいという方は、できるだけ手間のかからない掃除方法を選ぶことが大切です。

塩素系クリーナーを使う

ドラッグストアやホームセンターで購入できる洗濯槽クリーナーの多くは塩素系のものです。洗濯機メーカーも塩素系クリーナーによる洗濯機掃除を推奨しています。


塩素系クリーナーには、長い期間をかけて蓄積した汚れにも対処できるという良さがあります。殺菌力も高いため、カビ汚れを根本から落としてきれいに仕上げることが可能となります。


ただし、塩素系クリーナーにはツンとしたニオイがあり、洗濯機掃除のあとに強いニオイが残ってしまうことがあります。せっかく洗濯機をきれいにしても、その後の洗濯で洗濯物に塩素のニオイが移ってしまう可能性も考えられるので気を付けましょう。


塩素系クリーナーを使って洗濯機掃除をするときには、クリーナーのパッケージや洗濯機の説明書に書かれている手順を守りましょう。


多くの場合は、洗濯機の電源を入れてから塩素系クリーナーを流し込み洗濯機を運転させるという方法で掃除をします。


洗濯機の標準コースで掃除をするときには洗濯とすすぎ、脱水を1サイクル運転させるとよいでしょう。洗濯槽洗浄コースがある場合には、このコースを使うとよいでしょう。

酸素系クリーナーを使う

酸素系クリーナーや酸素系漂白剤を使って洗濯機掃除をするという方法もあります。酸素系クリーナーは塩素系クリーナーと同じように、ドラッグストアやホームセンターなどで購入できます。また、インターネット通販で酸素系クリーナーを購入する方もいます。


塩素系クリーナーに比べて酸素系クリーナーはニオイが少ないのが特徴的です。また、洗濯槽の中で泡を発して汚れを剥がしていくのも、酸素系クリーナーならではの特徴です。


ですが、酸素系クリーナーは塩素系クリーナーに比て、汚れ落ちがやや劣るのが一般的です。

酸素系クリーナーを使った洗濯機掃除のコツは、つけ置きで汚れを落とすことです。


まずは洗濯槽に40度程度のお湯を注いでいきます。洗濯槽がいっぱいになるよう高水位までお湯を注いだら、洗濯モードで5分程度回し、汚れをふやかしていきましょう。


続いて酸素系クリーナーを注ぎ入れ、さらに15分程度洗濯モードで回しましょう。洗剤が発泡して洗濯槽が泡で満たされたら、2時間程度つけ置きをしておきます。


つけ置き後にはさらに10分程、洗濯機をまわします。茶色がかったカスが浮いてきた場合には、ゴミ取りネットや古ストッキングなどを使って汚れを取り除いておきましょう。


十分に汚れを取り除いたあとには脱水をおこない、洗濯槽に新たに水を入れて再度洗濯機をまわします。汚れが出る場合には十分にすくい取り、すすぎと排水で仕上げていきましょう。

重曹を使う

ナチュラルな方法で洗濯機掃除をしたいのなら、重曹を活用してみましょう。

環境に優しく、安心して使えるのが重曹の魅力です。また、消臭効果の高い重曹には、洗濯槽の湿気によるニオイを防いでくれる効果も期待できます。


重曹はドラッグストアやホームセンター、100円ショップ等で販売されています。洗濯機以外にもさまざまな掃除に使えるので、常備しておくのがおすすめです。


ただし、重曹は水に溶け切らないことがあり、詰まりを起こすことがあります。ドラム式洗濯機など一部の洗濯機では、重曹を使った掃除ができないので気を付けましょう。


あらかじめ洗濯機の説明書などを確認し、重曹を使用しても問題ないかチェックしておくのがおすすめです。


重曹で洗濯機掃除をするときにはまず、洗濯槽に水またはお湯を高水位まで溜めましょう。続いて重曹を200グラム程度入れ、洗濯の洗いモードで10分程度回し、そのまま洗濯機を5時間程度放置します。汚れがひどい場合にはひと晩放置しておくのもよいでしょう。


洗濯槽に汚れが浮いてきたらネットなどを使って十分に取り除きます。その後、汚れが浮かなくなるまで洗濯機を回し、すすぎと排水で仕上げていきましょう。

洗濯機掃除を業者依頼するという方法もある

セルフで洗濯槽掃除をしても、汚れを十分に落としきれるとは限らないものです。せっかく洗濯機掃除をしたにもかかわらず、洗濯後のニオイや汚れ浮きがなかなか改善されず悩んでいる方もいるかもしれません。


洗濯機掃除がうまくいかないときには、ハウスクリーニング業者に洗濯機掃除を依頼するとよいでしょう。


ハウスクリーニングのプロは業者専用の洗剤を使って汚れを効率的に落としてくれます。十分な経験やスキルを持っている業者に依頼すれば、短時間で洗濯機をピカピカに掃除してくれるはずです。

なるほど。洗濯機掃除をしてもなかなか効果が出ないときにはプロに依頼するという方法もあるんですね。

市販の洗濯槽クリーナーや重曹などを使えば、洗濯機の汚れはある程度落とせます。しかし、セルフでの洗濯機掃除は手間がかかるにもかかわらず、汚れを十分に落とせないことがあります。手間を掛けずに洗濯機掃除を済ませたいのなら、プロに依頼するのも有効な方法といえるでしょう。

洗濯機を掃除するタイミングとは?


洗濯機を清潔な状態に保つためには、こまめに洗濯機掃除をすることが重要です。洗濯槽をこまめに掃除していれば、ニオイや汚れを防いで清潔さをキープできます。


しかし、洗濯機掃除を頻繁におこなう方はあまり多くありません。中には、ほとんど洗濯機掃除をせずに洗濯機を使い続けている方もいるものです。

つい洗濯機掃除をあと回しにしてしまうので、ニオイや汚れの付着が気になります。具体的には、どれくらいの頻度で洗濯機掃除をしたらよいのでしょうか?

汚れたままの洗濯機で洗濯し続けると、衣類にカビ菌がくっ付いて嫌なニオイを発することがあるので注意しましょう。また、洗濯槽の茶色い汚れが剥がれ落ちて衣服にくっ付いててしまうケースもあるものです。こういった問題を避けるためにも、洗濯機の掃除の時期や頻度を意識したほうがよいでしょう。

洗濯の頻度は各家庭によって異なります。


ファミリー世帯であれば、家族の洗濯物をすべて洗うためには1日に何度も洗濯機を回さなければなりません。洗濯の頻度は2人暮らしであれば1日1回程度、1人暮らしであれば数日に1度になるのが一般的です。


こまめに寝具類を洗いたいという人や仕事着を頻繁に洗濯したいという人もいると思います。こういった場合には、家族の人数が少なくても洗濯機の使用頻度は自然と増えるものです。


洗濯機を毎日何度も使う場合と週に2~3回程度だけ使う場合では、洗濯機の汚れ方は異なるように思えます。しかし、洗濯槽に湿気が蓄積しやすいのは、選択頻度が高い場合でも低い場合でも同じです。


使用頻度の低い洗濯機であっても、毎日使う洗濯機と同じように汚れが発生します。


洗濯機の汚れを取り除いて清潔に保つためには、こまめに掃除をしておくことが大切です。


できれば1カ月に1回程度、多忙な場合でも2カ月に1回程度は洗濯機の掃除をしましょう。


洗濯機の購入直後には洗濯槽の裏側はそれほど汚れていません。

しかし、購入後3カ月程度が経過すると洗濯槽の裏側には次第に汚れが蓄積してしまいます。


洗濯機掃除をせずに放置してしまうと、洗濯槽の裏に溜まった汚れが蓄積して落とせなくなってしまいます。洗濯物のカビやニオイが気になるからと慌てて洗濯機掃除をしても、汚れをすべて落としきることは難しいのです。


長年溜まった汚れを落とそうとすると中途半端に汚れが剥がれ、かえって洗濯物にカビや汚れが付着してしまう可能性も考えられます。


洗濯機購入後2~3カ月を過ぎたら、1~2カ月に1回の洗濯機掃除を習慣づけるのがおすすめです。こまめに洗濯槽掃除をしておけば汚れの蓄積が起きにくくなり、洗濯機を長期間清潔に使い続けることができます。

最低でも2カ月に1度は洗濯機を掃除したほうがいいんですね。

目に見える部分がきれいだと洗濯機掃除の必要性をあまり感じない方もいるかもしれませんが、洗濯槽の見えない裏側部分は思った以上に汚れているものです。洗濯機が汚れた状態で半年以上経過すると、洗濯機掃除をしても汚れを落としきれなくなってしまいます。できれば月1回くらいの頻度で、こまめに洗濯機掃除をしておくことが大切です。

洗濯機の掃除回数を減らすためのコツ

洗濯機掃除の回数を少なくする方法はありませんか?

洗濯機に汚れが溜まらないように気を付けながら使っていれば、洗濯機掃除の回数を多少減らしても清潔さをキープできます。洗濯物をきれいに仕上げるためにも、洗濯機の汚れを防ぐ方法を知っておくのがおすすめです。

洗濯機の掃除は月に1回程度おこなうのが理想です。とはいえ、掃除は手間がかかるからとついあと回しにしてしまう方もいるかもしれません。


洗濯機掃除を面倒に感じる方は、洗濯機掃除の頻度を減らすための工夫をしてみましょう。以下のような方法で洗濯機を清潔に保つよう気を付けておけば、掃除の頻度を下げることが可能となります。

洗剤を使いすぎないようにする

洗濯をするときに洗剤をつい入れすぎてしまうという方は注意が必要です。


洗剤を多く入れれば汚れを落とす効果が高まりそうな気がしますが、実際には洗剤の量がやや少ない状態でも十分な洗浄効果が得られます。洗剤の量が多いと、すすぎの際に洗濯槽に洗剤が残り、こびりついてしまうことがあるので気を付けたいものです。


洗濯機にこびりついた洗剤の残りカスは、放置していると雑菌がどんどん繁殖し、しつこい汚れの原因になります。雑菌の繁殖を防ぐためには、洗剤を使いすぎないことが大切です。

洗濯後には洗濯機の通気性を確保しておく

洗濯槽が汚れる大きな原因は、洗濯槽の裏側の湿気によるカビです。洗濯後には洗濯槽に湿気ができるだけこもらないよう、洗濯機のフタを開けておきましょう。


洗濯機を置いている場所の窓を開けたり換気扇を回したりすれば、より通気性がよくなります。通気性がよくない場所に洗濯機を置いている場合には、除湿機を設置するのも効果的です。

洗濯物を一度に大量に洗うことは避ける

洗濯機を回すと電気代や水道代がかかるため、多くの方は洗濯物をある程度溜めてまとめて洗っていると思います。しかし、一度に大量の洗濯物を洗うと洗濯の効率が落ちてしまいます。


洗濯物が多いとすすぎで汚れや洗剤を十分に落とせず、洗濯物に汚れやカビが付着しやすくなってしまいます。また、洗濯効率が落ちることによって洗濯槽に洗剤が残留すると、新たなカビや汚れが起きてしまうこともあるので注意しましょう。

洗濯機の中に洗濯物を入れたままにしない

帰宅後や入浴前などに、洗濯物を洗濯機に放り込んでそのままにするという方は少なくないと思います。しかし、人の汗を吸った洗濯物を洗濯機に入れたままにしていると、洗濯槽に湿気が溜まる原因となります。


洗濯物は洗濯カゴなどに保管し、洗濯の直前に洗濯機に入れるようにしてください。


また、洗い終わった洗濯物を洗濯槽に入れたままにすることも、洗濯槽のカビの大きな原因となります。洗濯が終わったらできるだけ早く洗濯物を取り出して干すようにしましょう。

洗濯槽の湿気を逃すような対策をしていれば、洗濯槽は汚れにくくなるんですね。

とはいえ、こちらはあくまで洗濯機掃除の頻度を多少下げるための方法です。洗濯機の湿気を防ぐ工夫をしたとしても、洗濯槽の裏側はどうしても少しずつ汚れてしまいます。長期間洗濯機掃除をせずにいると、汚れが浮いたり洗濯物にニオイがついたりすることもあるので気を付けたいものです。

1カ月に1回程度洗濯機掃除をすれば、洗濯機を清潔に使い続けられます


日々忙しく過ごしている方は、洗濯機の掃除まで手が回らないこともあると思います。しかし、洗濯機を掃除せずに使い続けると洗濯槽の裏側に汚れが蓄積し、落とせなくなってしまいます。


洗濯機が汚れたままだと、せっかく洗濯をしても不衛生な仕上がりになってしまうので気を付けたいものです。できれば1カ月に1回程度、塩素系クリーナーや酸素系クリーナーなどを使った洗濯機掃除をしておきましょう。


多忙で洗濯機掃除ができない方や洗濯槽掃除をしてもなかなか汚れが落ちきらず悩んでいる方は、ハウスクリーニングのプロに洗濯機掃除を依頼するのがおすすめです。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。