窓・サッシ

【専門家監修】窓ガラスの簡単な掃除方法や必要な道具・注意点を徹底解説

窓ガラスが汚れていて、見るだけでストレスがたまります。なるべく簡単にきれいにしたいのですが、よい方法はあるでしょうか?

窓ガラスを簡単に掃除したいなら、おすすめの掃除方法は7つあります。手順も簡単なので、すぐに取りかかれますよ。必要な道具をそろえて、効率的に窓ガラス掃除を終わらせましょう。

窓ガラスが汚れていると外が見えづらく、家の雰囲気も暗く見えます。いつもきれいにしておきたいところですが、汚れが激しく手を付けづらく感じている人もいるでしょう。


窓ガラスを常にきれいに保つには、どのくらいの頻度・タイミングで掃除するとよいでしょうか?


窓ガラスを手間なくキレイにするために知っておきたい掃除方法やそろえたい掃除道具、掃除のコツを紹介します。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

窓ガラスの掃除に準備が必要な道具

窓ガラスをきれいに掃除したいのですが、どのような道具を準備すればよいでしょうか?

窓ガラスの掃除は、拭き掃除が基本です。ガラス面をきれいに拭けるアイテムと、ガラス汚れを落としやすい洗剤があるとよいですね。

窓ガラスに付着した汚れは、拭いたりこすったりして落とします。思い立ったときにさっと掃除できるよう、「窓用」の掃除道具を常に身近なところに用意しておきましょう。


窓ガラス掃除を楽にしてくれる、掃除道具を紹介します。

新聞紙

新聞紙は一般の紙に比べて繊維が荒く、汚れを引っ掛けて落としやすい特徴があります。繊維の毛羽立ちも少なく、窓を拭いても布のように細かい糸くずが付着しません。ちぎったり丸めたりしやすく、使いやすいサイズにするのも簡単です。


また新聞紙で窓を拭くと、汚れるどころかピカピカになります。


これは、インクに油分が含まれているためです。新聞紙で掃除した後の窓は、コーティングしたかのような輝きが出るでしょう。

スクイージー

スクイージーは、窓掃除専用のアイテムです。先端にゴムが付いており、T字の形をしています。ゴム部分を窓に当てて上下・左右に動かせば、窓の汚れがきれいに落ちるでしょう。


窓掃除以外の用途がないことから、スクイージーは「窓掃除のプロが頻用するアイテム」というイメージがあります。しかし近年はごく一般的な窓拭きアイテムとして認知されており、ホームセンターや100円ショップでも購入可能です。


サイズもいろいろあるので、窓の大きさ・使い勝手を考慮して選びましょう。

拭き上げ用のクロス

掃除中の水気を拭いたり汚れを落としたりするために、雑巾やクロスも必要です。乾いたもの・濡れたものが必要になるので、複数枚用意しておきましょう。


掃除に使える布なら何でも構いませんが、1枚はマイクロファイバークロスがあると便利です。


マイクロファイバーとはポリエステルやナイロンで作られた合成繊維で、通常の繊維よりも遙かに細い特徴があります。天然繊維よりも吸水性に優れており、窓のから拭きに最適です。

メラミンスポンジ

メラミンスポンジとは、水あか落としなどで使われるスポンジです。「メラミンフォーム」という発泡樹脂でできており、硬い繊維が編み目のように張り巡らされています。平面をこすると消しゴムのような威力を発揮し、汚れを削り落としてくれます。


「窓が傷むのでは?」という不安を持つ人がいるかもしれませんが、メラミンスポンジはガラスより柔らかい素材です。掃除に使っても窓に傷が付くことはなく、汚れだけをきれいに落としてくれます。

窓ガラス用洗剤

窓ガラスの掃除では、専用洗剤があると便利です。スーパーやホームセンターで「窓ガラス専用」と書いてあるものを購入しましょう。ほとんどはスプレー式で、適量を出しやすい仕様です。


ただし、小さい子どもやペットがいる場合「窓の内側に洗剤を使いたくない」と感じる家庭もあるかもしれません。


この場合は、「内側は重曹やセスキ炭酸ソーダなどの天然素材」「外側は窓ガラス用洗剤」と使い分けてもよいでしょう。

スクイージーという道具があるのは知りませんでした。窓掃除が楽になりそうですね。

そうですね。窓ガラスの水滴取りにも使えるので、一つあると重宝しますよ。そのほか、新聞紙も、思い立ったときにすぐに窓掃除できて便利です。

窓ガラスの簡単な掃除方法7選


窓ガラスの掃除って大変そうですよね。毎日忙しくて、掃除に時間をかけたくありません。なるべく簡単に掃除したいのですが、どのような方法がよいでしょうか?


窓ガラスの掃除は、汚れの性質さえ理解すれば落とすのは簡単です。掃除方法はさまざまあるので、取り掛かりやすい方法を選ぶとよいでしょう。

窓の内側には重曹とクエン酸の合わせ技で

窓ガラスの内側の汚れは、手垢や皮脂などです。性質でいえば「酸性」に属するため、アルカリ性の洗剤を使いましょう。


通常のガラス用洗剤でもよいですが、子ども・ペットがいる家庭や、なるべく体に優しい成分を使いたい家庭は、重曹とクエン酸を使うのがおすすめです。体に悪影響を及ぼす成分がなく、内側の窓を簡単にきれいにできます。


まずは以下の割合で重曹液・クエン酸液を作ってください。


重曹液:水100ml:小さじ1

クエン酸液:水100ml:小さじ1/2


上記を準備したら、以下の手順で掃除しましょう。

  1. 重曹液で濡らしたクロスで窓を拭く
  2. クエン酸液で濡らしたクロスで窓を拭く
  3. きれいなクロスでから拭きする

重曹液の後にクエン酸液を使えば、重曹の白い跡が残りません。窓に付いた指紋や手垢がきれいになって、すっきりします。

軽い汚れなら炭酸水とマイクロファイバー

軽度の汚れなら、水拭きだけでも汚れを落とせます。少しでも効果を高めたい場合は、炭酸水とマイクロファイバーを使いましょう。


掃除方法は簡単で、炭酸水を窓に吹き付けてからマイクロファイバーで拭き上げるだけです。


炭酸水を吹き付けると、発泡性の泡が、窓に付いた汚れを浮きあがらせてくれます。から拭きだけでも汚れを落としやすくなり、ガラスがきれいになるのです。


から拭きは通常の雑巾でも構いませんが、繊維が窓に残る恐れがあります。繊維の細かいマイクロファイバーの方が、簡単にきれいになるでしょう。

スクイージーを使ってピカピカに

スクイージーは、窓に密着させて使います。スムーズな掃除のためには、窓に付いた大きな汚れは事前に落としておかなければなりません。ガラス用洗剤や水などで窓を濡らした後、スクイージーを上下に動かしましょう。


スクイージーできれいな窓を実現するためのポイントは、ゴムをしっかりとガラス面に密着させることです。ゴムの部分が浮いてしまうと、水や汚れが残ります。スクイージーをしっかり寝かせて、ガラス上を滑らせてください。


スクイージーを使った後に水や洗剤残っていたら、クロスやキッチンペーパーなどできれいに拭き取りましょう。

手軽に掃除するなら新聞紙

新聞紙は、くしゃっと丸めてそのまま窓を拭くだけです。あまりに小さく丸めると窓を拭きにくいため、手にぎゅっと握れる大きさにしましょう。おすすめは、新聞紙2枚くらいです。


新聞紙を丸めたら、水に浸けて濡らします。そのまま窓を上から下に跡を残さないように拭いていきましょう。ただし、冬期は窓が結露で濡れていることがあります。そのままでは新聞紙がぐちゃぐちゃになってしまうので、事前に軽く窓の水分を取り去っておいてください。

水とメラミンスポンジでエコ掃除

メラミンスポンジを使うと、窓に付いた汚れを削るように落とせます。洗剤等を使わなくても窓がきれいになりますが、メラミンスポンジが小さ過ぎると小さい面しか掃除できません。


窓ガラスを早くきれいにするなら、自分でカットできる大きめサイズを選びましょう。


メラミンスポンジでおこなう掃除の手順は、スポンジを水で濡らして窓を上から拭いていくだけです。濡れているうちにクロスや雑巾でから拭きをしていけばきれいになります。


掃除中に白いスポンジカスが落ちるので、後でまとめて掃除機で吸い取りましょう。


注意点としては、特殊フィルムやコーティングを施してあるガラス窓にメラミンスポンジを使うことにより、加工が剥げてしまう恐れがあることです。メラミンスポンジを使うときは、加工の有無をチェックしておきましょう。

頑固な汚れはガラスクリーナーで

水だけで汚れをきれいに落とせなかったり、クロス・スポンジがすぐに真っ黒になったりする場合は、ガラス窓専用のガラスクリーナーを使いましょう。ガラス窓の汚れに特化した洗剤なので、頑固な汚れもスムーズに落とせます。


ガラスクリーナーを使う手順は、以下の通りです。

  1. ガラスクリーナーを雑巾・クロスに吹き付ける
  2. 窓ガラスを拭く
  3. 水拭きして洗剤を拭き取る
  4. から拭きして窓ガラスに残っている水分を拭き取る

ガラスクリーナーを使うときは、直接窓に吹き付けてはいけません。液だれして跡が残り、掃除の手間が増えていまいます。

一気に手早く掃除するなら高圧洗浄機

窓ガラスに鳥の糞が付いていたり砂やホコリでひどく汚れていたりする場合は、高圧洗浄機を使った掃除も有効です。窓ガラス用のアタッチメントが付いているタイプなら、こすりながら汚れを落としてくれます。


手順としては高圧洗浄機のノズルを窓に向け、勢いの強い水を上から下に当てていくだけです。水を当てた後すぐにスクイージー等で水気を取れば、簡単にきれいになるでしょう。


ただし高圧洗浄機の使い方は、メーカーによって異なります。説明書をよく読んで、指示に従って掃除してください。

いろいろな掃除方法があるのですね。どれも思ったより手順が少ないので、簡単に取り組めそうです。

窓ガラス掃除は、難しい手順はありません。とはいえ窓が多かったり面積が広かったりすると、やはり手間は掛かります。いろいろな掃除方法を試してみて、やりやすい方法を見つけるのがおすすめですよ。

窓ガラス掃除の適切な頻度や時期

窓ガラスの掃除は、どのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか?また、窓ガラス掃除に最適な時期というのはありますか?

月に1回簡単な掃除をして、半年に1回ほど本格的に掃除するのが理想です。時期的には、初夏と年末が掃除しやすいと言われていますね。

窓ガラスは小まめに掃除して汚れをためない方が、1回の掃除時間を短縮できます。窓ガラス掃除をしたくないと感じている人ほど、簡単な掃除を多めに行うとよいでしょう。


また、窓の汚れ具合は季節・天気によって異なります。掃除に適した時期を選ぶことも、効率的な窓ガラス掃除には必須です。


おすすめの掃除頻度や時期を紹介します。

簡単な掃除は月1回を目安に

「毎月○日は窓掃除」とルーティン化して、習慣付けてしまいましょう。ただし、あまりにもあれこれやろうとし過ぎると、すぐにイヤになってしまいます。掃除の負担を感じないよう、この日は「目立つ汚れだけ」「簡単に拭くだけ」と決めてください。


例えば新聞紙やメラミンスポンジを使った「拭くだけ掃除」なら、月1回でもさほど負担にはならないでしょう。


ただし結露する時期は、カビの心配があります。カビは健康に悪影響を及ぼす恐れがあるため、掃除の頻度を上げた方が安心です。

本格的な掃除は半年に1回

重曹液とセスキ炭酸ソーダ液を使ったり、窓ガラス専用洗剤を使ったりした大掃除は、半年に1回程度がおすすめです。


特に窓ガラスの外側は、風雨にさらされて汚れもたまります。汚れが乾いてこびり付く前に、徹底的に落としておかなければなりません。

大掃除におすすめの時期は初夏と年末

大掃除のタイミングはいつでも構いませんが、5~6月頃と年末のタイミングがおすすめです。


5~6月頃は気候がよく、気分も前向きになります。窓ガラスをきれいにしようというモチベーションも湧きやすいでしょう。


加えてこの時期になると、黄砂や花粉も落ち着いてくるのもメリットです。「せっかく掃除してもすぐにホコリだらけ」とガッカリせずに済みますよ。


一方年末は、年末大掃除があります。家中をきれいにしなければという使命感のもと、窓ガラス掃除にも精を出せるでしょう。


大掃除をしてゴミやホコリを取り除けば、結露した窓に発生するカビを防ぎやすくなるでしょう。

窓枠・サッシの正しい掃除方法

実は、窓ガラスだけではなく窓枠・サッシの汚れも気になっています。どのように掃除したらよいでしょうか?

窓枠やサッシは、ゴミやホコリがたまったりカビが発生したりしやすい場所です。ゴミを取り除く掃除・拭き掃除が必要となります。手順について、詳しく紹介しますね。

窓枠やサッシには、ホコリや髪の毛・繊維カスなどがたまります。凸凹して掃除しにくい場所ではありますが、年に数回はしっかり大掃除するのがおすすめです。


正しい掃除方法を見ていきましょう。

掃除機でゴミを吸い取る

髪の毛やほこりがたまっている場合は、まず掃除機で吸い取ります。すき間用のアタッチメントがある場合は、そちらを使うと簡単です。


掃除機で吸い取れない汚れは、ほうきで掃き出してもよいでしょう。

住居用洗剤で拭く

大きなゴミを取り除いたら、クロスに住居用洗剤をスプレーして、汚れを拭き取りましょう。クロスで拭きにくいところは、割り箸の先にクロスを巻き付けた「お掃除スティック」を使うと簡単です。


なお、住居用洗剤がない場合は、台所用の中性洗剤でも問題ありません。ただしそのまま使うと泡だらけになってしまうため、水で薄めて使用しましょう。

クロスで水拭きする

洗剤で一通り拭いた後は、クロスで水拭きをして洗剤や残った汚れを拭き取ります。水拭き用のクロスはすぐに真っ黒になるため、複数枚用意しておくとよいでしょう。

クロスで水気を拭き取る

水拭きが終わったら、から拭きをして仕上げます。水気が残っていると汚れが付いたりカビたりする原因となるので、すみずみまで丁寧に拭き取ることが大切です。


効率よくから拭きを行うなら、マイクロファイバーのクロスを使いましょう。

吸水性が高いため、短時間でから拭きが終わります。

寒い季節は結露対策までしておくと安心

春夏の掃除はから拭きで終わってよいですが、秋冬は結露対策までしておくのがおすすめです。


結露による水滴の垂れ下がりをブロックするサッシ用の断熱テープを貼ったり、窓ガラスに結露防止用の断熱シートを取り付けたりしましょう。


サッシや窓枠に水が流れるのを抑えられれば、カビが発生しにくくなります。

サッシや窓枠は、細いすき間の汚れを取るのが大変そうですね。

そうですね。ホコリやゴミが入り込みやすいので、毎日の掃除のときにゴミだけでも吸い込んでおくとよいかもしれません。

窓まわりの掃除で注意すること

窓まわりの掃除手順が分かったので、ぜひチャレンジしてみたいと思います。掃除するとき、注意しておいた方がよいことはありますか?

主に二つあります。窓ガラスに跡を残さないことと、外側から掃除することです。効率的な掃除をするためには欠かせないので、ぜひ注意してみてください。

窓ガラスの掃除は、のんびりし過ぎると洗剤や水の跡が残ってしまいます。掃除をしても見栄えが悪いため、跡を残さないことが大切です。


また、掃除は内側からではなく外側から行う方が掃除の難易度が下がります。ポイントを抑えた掃除で、掃除を早めに終わらせましょう。

跡を残さない

窓掃除は、「洗剤で拭き上げ・水拭き・から拭き」がワンセットです。このうち、なるべく手早く行いたいのがから拭きです。


洗剤や水で濡れたところが乾くと、白い跡が残ります。から拭きは、水分が乾ききる前に行うのが鉄則です。

外側から掃除する

窓ガラスを内側から掃除すると、外の汚れか内の汚れか分かりません。掃除するときは、汚れのひどい外側から行いましょう。外側がきれいになっていれば、内側の汚れが見えやすくなります。


ムダな労力を使わずに、ピンポイントで汚れを狙えます。

なるほど。窓ガラスの掃除は、外側から手早く行うのがよいのですね。

その通りです。効率的に掃除するなら、スピードと順番は重要ですね。ただし、窓が大きかったり多かったりすると、掃除の負担は大変なものです。無理をせず、プロの手を借りることも検討してみてくださいね。

窓ガラスの掃除はプロに依頼すれば簡単

窓ガラスの掃除は、基本的に濡らす・拭くの繰り返しです。クロスやスポンジ・洗剤等をそろえれば、すぐにでも掃除をスタートできます。また簡単な掃除なら、新聞紙やメラミンスポンジで対応可能です。なるべく小まめに掃除して、きれいな状態を保ちましょう。


ただし、窓掃除はスピードや根気強さが必要です。「手に負えない」と感じたら、最初だけでも掃除のプロに依頼してみるとよいでしょう。


掃除のプロなら、プロ仕様の洗剤・道具で窓まわりを徹底的に掃除してくれます。まずはいったん窓をピカピカの状態にして、小まめにメンテナンスしていくのがおすすめです。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。