お風呂

【専門家監修】お風呂のカビを簡単に落とす5つのコツや予防方法を解説

掃除してもお風呂の黒カビがなかなか落ちなくて…。簡単にキレイにする方法はありませんか?

浴室の黒カビは一度発生すると根を張るため、こするだけではなかなか落ちません。塩素系漂白剤を使ったパックなど、いくつかご紹介しますので、やりやすい方法を試してみてください。また、天井の掃除方法やカビの予防法なども合わせて解説します。

お風呂の黒カビは一度できると根を張るため、こすってもキレイに落ちません。そのため、塩素系漂白剤を使い、根本まで浸透させるのが簡単に落とすコツです。


この記事では、お風呂のカビを簡単に落とす方法と、予防方法をハウスクリーニングのプロが分かりやすく解説します。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

お風呂のカビを落とす5つのコツ

お風呂の黒カビって、塩素系漂白剤を使ってもなかなか落ちないですよね。

そうですね。漂白剤を表面に吹きかけるだけではカビの根本まで浸透しないため、黒ずみを落とすことができません。そのため、ラップや片栗粉を使ってパックするのが簡単に落とすコツです。

お風呂の頑固な黒カビには、除菌と漂白が同時にできる塩素系漂白剤を使ったパックがおすすめです。今回は臭いや皮膚への刺激が少ない安全性の高い方法と合わせて、カビを落とすコツを解説します。

しっかり乾かしてからカビを落とす

カビ取りを始める前に、黒カビの発生しているところを雑巾で拭いて、しっかり乾かしましょう。


水に濡れたまま漂白剤をつかうと、成分が薄まり効果が半減してしまいます。


カビを落とす場所だけでもよいので、水分をしっかり拭き取ってから掃除を始めるのがポイントです。

漂白剤を“浸透”させる

黒カビは“こすって”落とすのではなく、漂白剤を“浸透させて”落とします。


ゴムパッキンなどに生えたカビは奥まで根を張っているため、漂白剤を根本まで浸透させないと落としきれません。


また、ゴシゴシとこすってしまうと、浴室が傷つくだけでなく、カビが奥に入り込んでしまいます。


次に、具体的な方法をみていきましょう。

カビに効果抜群!「塩素系漂白剤パック」

黒カビに効果的な塩素系漂白剤(カビ取り剤)ですが、ただ吹きかけるだけだと、液が垂れてカビの根本まで浸透しません。


そこで、おすすめなのがキッチンペーパーを使ったカビ取りパックです。

  1. 黒カビに塩素系漂白剤を吹きかける。
  2. その上にキッチンペーパーを被せカビと密着させる。
  3. 2の上にラップを貼り付けパックする。
  4. 15~30分おいた後、水でしっかりと洗い流す。

もし、カビが残っているならスポンジで優しく洗います。


塩素系漂白剤は刺激が強いので、カビ取りのときは、ゴム手袋・ゴーグル・マスクをつけた上でさらに換気も行いましょう。

穏やかな効き目の「酸素系漂白剤パック」

塩素系漂白剤の刺激臭が苦手な方は、無臭の酸素系漂白剤を使ったパックがおすすめです。

  1. 酸素系漂白剤(粉末)に40度のお湯を加え、固めのペーストにする。
  2. 黒カビに1を満遍なく塗る。
  3. 2の上にラップを被せる。
  4. 1~6時間程度おいた後、やさしくこすり洗いする。

パックする時間はカビの状態によって判断します。


少し時間がかかるため、回数を分けてパックしてもよいでしょう。

壁・ゴムパッキンのカビには「塩素系漂白剤+片栗粉」

壁やゴムパッキンにできた頑固な黒カビは、片栗粉と塩素系漂白剤を混ぜたペーストを作り、しっかりと密着させて落としましょう。

  1. 片栗粉に塩素系漂白剤を入れてペースト状になるまで混ぜ合わせる。
  2. カビに密着させるように1を塗りこむ。
  3. 5~15分おいた後、洗い流す。

ゴムパッキンに使うときは、劣化の原因となるため、長時間放置しないように注意しましょう。

なるほど、カビの生えているところを乾かしてから、漂白剤を使ってパックすればいいんですね。たしかに、これならこすらずカビを落とせそうです。

そうですね。ゴムパッキンのように柔らかい素材は、こするとキズがついてしまうので漂白剤を染み込ませて掃除するのがおすすめです。

お風呂に生えるカビの種類と原因

お風呂って黒カビの他に、ピンクのヌメリも発生しますが、あれはなんなのでしょうか?

“赤カビ”と呼ばれる状態です。正体は酵母菌なので人体に害はないものの、黒カビのエサになるので、見つけたら早めに掃除しましょう。

お風呂に生えるカビは、ゴムパッキンの黒いポツポツ(黒カビ)やピンクのヌルヌル(赤カビ)の2種類です。それぞれの特徴と生える原因を確認します。

黒カビ

お風呂にできる黒いポツポツは黒カビが原因で、正式名称はクラドスポリウムといい室内に多く生息しています。


菌糸を伸ばし奥深くまで浸食するため、ゴムパッキンにできてしまうと対処が難しく、殺菌しても黒い跡が残りやすいのが特徴です。


また、黒カビの飛ばす胞子は、アレルギーや喘息の原因となるため、見つけたらすぐに対処しましょう。


黒カビが発生しやすい環境は下記のとおりです。

  • 温度:25~30度
  • 湿度:70%以上
  • 酸素がある
  • 皮脂や石鹸カスなど栄養が豊富にある。

これらが全て揃う浴室は、黒カビに適した環境です。

赤カビ

床の隅やシャンプーボトルの底に広がるピンクのヌルヌル。「ピンクヌメリ」や「赤カビ」と呼ばれていますが、実は“カビ”ではなくロドトルラという酵母菌の一種です。


カビではないので人体に悪影響を及ぼすわけではありません。しかし、繁殖力が強く、黒カビのエサとなるため、見つけ次第除去しましょう。赤カビならスポンジでこするだけで簡単に掃除できます。


また、赤カビも、黒カビと同じ条件で発生します。

  • 温度:25~30度
  • 湿度:70%以上
  • 酸素がある
  • 水分のみでも繁殖するが、栄養が豊富なら爆発的に増える。

以上のように、お風呂場は黒カビにも赤カビにも最高の環境です。

湿度も温度も栄養もあるお風呂場は、カビにとって最高の環境なんですね…。

そうなんです。居心地が良いと、カビはどんどん増殖してしまいます。だから、こまめに掃除し、カビが嫌う環境に整えることが大切です。

お風呂の天井を掃除するときの注意点

浴槽の天井にもカビが生えているのを見つけたんですが、どのように掃除すればよいでしょうか?

天井に塩素系漂白剤を直接スプレーすると、液が垂れてきて危険です。これから紹介する方法なら、安全に掃除できますよ。

実は浴室の天井もカビが生えやすい場所です。キレイに見えても、よく見ると小さな黒カビが繁殖していることもありえます。

塩素系漂白剤を直接スプレーするのはNG

浴室の天井を掃除するとき、塩素系漂白剤をそのままスプレーするのはやめましょう。液が垂れて頭や顔にかかるだけでなく、目に入ってしまう可能性もあり大変危険です。

天井は掃除用ワイパーを使ってカビを落とす

安全に配慮するため、下記の道具を用意し掃除しましょう。

  • カビ取り洗剤
  • 掃除用ワイパー
  • 雑巾
  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル

また、衣類に塩素系漂白剤がつくと脱色することがあるので、汚れてもよい服に着替えてから掃除しましょう。

お風呂の天井の掃除手順

お風呂の天井を掃除するときは、掃除用ワイパーに雑巾をつけ塩素系漂白剤を染み込ませます。これで、薬液が天井から垂れるのを防止できます。

  1. 乾いた雑巾で、天井の水気を拭き取る。
  2. 別の雑巾を用意し掃除用ワイパーにつけ、塩素系漂白剤を全体に吹きかける。
  3. 2で天井全体を拭き、塩素系漂白剤を馴染ませる。
  4. 10~15分放置する。
  5. シャワーで天井を洗い流す。
  6. 最後に雑巾で天井の水気を拭き取る。

シャワーで洗い流すときは、水がかからないように注意しましょう。


また、汚れが残っているなら、掃除用ワイパーにつけた雑巾でこすると落ちることもあります。

掃除用ワイパーと雑巾ならすぐに準備できますね。ただ、シャワーで天井を流すと、水がかかりそうでちょっと不便ですね。

そうですね。また、天井が高い場合、安定性のある足場も必要です。もし掃除が難しいなら、プロの力を借りるのもおすすめです。天井の隅まで、安全にキレイに掃除してくれますよ。

お風呂にカビが生えるのを防ぐ方法

お風呂場のカビって、落としてもすぐに生えてきますよね。何かよい予防方法はありませんか?

カビは50度以上のお湯が苦手です。また、水気のない環境では繁殖しづらいため、浴室の乾燥を徹底するとよいですね。

お風呂にカビを生えさせないためには、50度以上の高温で洗い流した後、室内の水気を拭き取って、しっかり換気すると効果的です。また、日頃から掃除をしてカビの嫌う環境に整えましょう。

50度以上のお湯をかける

黒カビも赤カビも、50度以上の高温で死滅します。そのため、掃除が終わったら50度以上のシャワーを5秒以上、浴室全体にかけるとカビを予防できます。


また、高温のシャワーは皮脂や石鹸カスを洗い流す効果も期待できます。

水気を拭き取る

掃除や入浴の後は、浴室全体の水気を拭き取りましょう。これで黒カビだけでなく、水分のみでも繁殖する赤カビを防ぐことができます。また、水気を拭き取ってから換気をすれば、浴室内の湿度を早く下げられます。

換気する

浴室内の湿度を逃がすためにも、最後に換気をしましょう。窓を開ける、換気扇を回すなどが方法ですが、湿度がこもりやすい場合は、1日中換気することをおすすめします。

50度のお湯をかけるだけなら簡単そうですね。水気の拭き取りも、毎日の習慣にすれば意外と苦にならないかもしれません。

最初は面倒に感じますが、これでやっかいな黒カビが防げると思うと、取り組みやすいかもしれませんね。黒カビは一度根を張ってしまうと残りやすいので、予防がとても大切です。

しつこい浴室のカビに悩んでいるなら、ハウスクリーニングのプロに相談しよう!

浴室のカビは塩素系漂白剤を使い、しっかりと成分を浸透させることで簡単に落とせます。


とはいえ、根深い黒カビにはこの方法でも時間がかかってしまうかもしれません。もし、浴室のカビに悩んでいるなら、ハウスクリーニングのプロに相談するのもおすすめです。


天井や、浴槽のエプロン内部など、掃除しづらい部分も掃除のプロならしっかり対応してくれます。相談する際は複数社から見積りを取ることが、安心できる業者を見つけることにつながります。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。