【専門家監修】ホームクリーニングの正しい手順やリスクを衣類別に解説
このページの内容
クリーニング店に大量の服を持っていくのが面倒!お金もかかるし、自宅でクリーニングする方法はありませんか?
衣類はその種類によってはホームクリーニングできるものもあります。ですが正しい知識がなければ失敗してしまうこともあります。大切な衣類を台無しにしてしまわないためにも、ホームクリーニングをおこなう際は細心の注意を払うことが大切です。
近年は洗濯機のコースも充実しており、おしゃれ着用、ドライクリーニング用の洗剤なども簡単に購入できます。
ひと昔前ならクリーニング店に持ち込まなければならなかったような衣類でも、今では自宅でクリーニングができるかもしれません。
ですがすべての衣類をホームクリーニングできるわけではありません。
どんな種類の衣類がホームクリーニングできるのか、ホームクリーニングをおこなうことのリスクについても確認しておきましょう。
小原 匡人
早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。
衣類別 ホームクリーニングの基本手順
ホームクリーニングできるのはどんな衣類ですか?正しいクリーニング方法も知りたいです。
ウールやレーヨン、アンゴラ、麻などの衣類はホームクリーニングできます。それぞれに洗濯の手順や注意点は違いますのですべて同じ方法で洗濯して「失敗した!」ということのないように注意してください。
ウールのホームクリーニング
ウールは普通の方法で洗濯すると縮んでしまいます。
ですが、丁寧にホームクリーニングすれば、クリーニング店に持ち込まなくてもきれいにできます。
まずはラベルを確認して、自宅で洗濯できるかをチェックしてください。ウールの場合は洗濯する水の温度や、洗濯機可能か、手洗い推奨かが記載されています。このとき自宅での洗濯不可のラベルがある場合はホームクリーニングは諦め、プロのクリーニング店に任せましょう。
洗濯可能のウールの場合はその衣類を洗濯ネットに入れ、中性洗剤で洗いましょう。ネットは衣類を入れてもすき間ができないくらいの大きさがおすすめです。洗濯機のドライコース、おしゃれ着コース、水流が弱めのコースで洗濯してください。
中性洗剤をつけた綿棒などで目立たない部分を擦り、衣類が色落ちしないか確認しておくことも忘れずに。
手洗いの場合は指定された温度以下の水を用意し、少しの中性洗剤を混ぜたもので丁寧に押し洗いします。擦り洗いすると生地が傷んでしまうので注意してください。よくすすぎ、水が洗剤の泡で濁らなくなったら完了です。
洗濯の場合も手洗いの場合も、脱水はとくに慎重におこなってください。洗濯機の脱水はウールに大きなダメージを与えます。濡れたウールを強く絞るのもNGです。
濡れた状態のウールの衣類をタオルの上で広げて、丁寧に水分を吸い取りましょう。
干すときはウールへの負担が少ない平干しをしてください。平干し用のネットなどを活用するとスムーズです。
レーヨンのホームクリーニング
自然の繊維から作られ、天然由来のエコな素材として注目されているレーヨン。発色がよく肌ざわりもよいという特徴を持ちながら、水に弱いというデメリットもあります。普通に洗濯すると破れたり縮んだりする可能性が高いので、ホームクリーニングの際は丁寧に手順を進めましょう。
とくにレーヨンは水に弱く、色移りしやすいです。色のついた衣類や柄の衣類には注意し、事前に目立たない部分を濡らして確認しましょう。
衣類のラベルを確認して洗濯OKだった場合は中性洗剤を使い、低温の水でおしゃれ着コースなどで洗濯してください。このとき衣類をネットに入れることも忘れないようにしてください。
脱水によるダメージは大きいため、洗濯機では10秒ほど脱水し、あとは平干しで乾かしましょう。
レーヨンは洗濯不可でも手洗いできるものもあります。その場合は中性洗剤を少量混ぜた水で押し洗いをしてください。揉んだり擦ったりしないよう注意しましょう。
脱水は、タオルの上に置いて別のタオルで挟んで水分を取っていく方法がおすすめです。
干す際は平干しで、直射日光に当たらない場所を選ぶようにしてください。
アンゴラのホームクリーニング
アンゴラとはウサギやヤギの毛を使った生地のことです。ふんわりとした肌ざわりや暖かさが特徴ですが、配合されている割合が高ければ高いほど毛が抜けやすいという特徴もあります。
ラベルを確認して、アンゴラの割合が高い場合はホームクリーニングは諦めてクリーニング店に依頼した方がよいでしょう。
アンゴラは基本的に手洗いがおすすめです。中性洗剤を混ぜた水につけ置きしましょう。このとき柔軟剤も一緒に入れると、繊維同士の摩擦を防いでくれます。
5分ほどつけ置きしたら、きれいな水でゆするようにして洗剤を落とします。数回繰り返して自ら出したら形を整え、タオルで水分を取ってから平干しします。
アンゴラはとくにダメージを受けやすいので、できるだけ刺激を避けてホームクリーニングするよう意識してください。
難しそうな素材でも気を付ければホームクリーニングができるんですね!
同じ素材でも割合や色、柄などによってはホームクリーニングが難しい場合があるので、まずはラベルを確認することが大切です。不安な場合は色落ちや縮みなども事前に確認しておいてくださいね。
ホームクリーニングでよくある失敗とは?
ホームクリーニングにチャレンジしたいけど、失敗が怖いです。
ホームクリーニングに失敗したという声は多いです。大切な衣類を守るためにも、リスクはあらかじめ確認しておきましょう。
ホームクリーニングはクリーニング店に持ち込む手間が省ける、費用がかからないといったメリットがありますが、失敗してしまうとその衣類を着られなくなってしまいます。
ホームクリーニングでよくある失敗をチェックして、自分が該当しないように注意しましょう。
そもそもの知識が少ないまま洗濯してしまう
その衣類にどんな生地が使われているのか、その生地は熱や水など何に弱いのかをきちんと知る必要があります。
一般的な洗剤とおしゃれ着用洗剤の違い、手洗いするときの水の温度によるダメージの違い、干し方によるダメージの違いなど、洗濯、クリーニングの正しい知識を身につけてからホームクリーニングにチャレンジしましょう。
わからないままホームクリーニングをおこなうと失敗してしまう可能性が高くなります。
干すときに型崩れしてしまう
デリケートな生地は洗うときだけでなく干すときにも細心の注意が必要です。
洗濯機に脱水を丸投げできないので、水分を含んで重たくなった衣類は普通に干すと重みで型崩れしてしまいます。
デリケートな素材は吊るして干すのではなく、平たい場所に広げて干すようにしてください。平置きネットを使えば、干すスペースが少なくても簡単に平干しができます。
洗濯機のコースに任せっぱなしにする
最近の洗濯機にはドライクリーニングコースやおしゃれ着コース、手洗いコースなどがあります。ですがこのコースを選べば失敗しないという保証はありません。
衣類によっては洗濯機で洗う、脱水をすること自体が大きなダメージとなるものもあります。
心配な場合は洗濯機は使わずに手洗いで優しく汚れを落とすようにしましょう。1ヵ所だけの汚れが気になるようであれば、全体は洗わずその部分だけ洗剤につけて洗う程度でもOKです。
ホームクリーニングは手軽だけど、その分失敗のリスクもきちんと考えておかなければならないんですね…。
自分で洗って失敗してしまってもすべて自己責任なので、本当にホームクリーニングすべきかどうかをよく考えることが大切です。
ホームクリーニングで失敗しないためのポイント
ホームクリーニングで失敗しないポイントはありますか?
絶対に失敗しないという保証はありませんが、とにかく丁寧に、慎重に作業を進めることが大切です。
洗濯表示をしっかり確認する
まずはその衣類の洗濯表示を確認してください。
洗濯機不可、手洗い不可のマークがある場合はホームクリーニングはせず、クリーニング店に相談しましょう。
ホームクリーニングができる衣類であっても洗濯方法や温度などをよく確認してください。
ドライクリーニング用洗剤を使う
ドライクリーニング用、おしゃれ着用などの中性洗剤は衣類へのダメージが少な目です。
汚れやにおいが気になるなどの場合、洗濯機で洗える衣類の場合もこれらの洗剤を使いましょう。
柔軟剤は衣類の繊維を柔らかくし、生地の摩擦を最低限に抑えてくれます。
ネットに入れて柔軟剤も使用し、ダメージを抑える工夫もしましょう。
脱水時間は短めにする
洗濯機の脱水は衣類に大きなダメージを与えます。
10秒程度脱水したら、あとはタオルで優しく水分を吸い取りましょう。
手洗いの場合、強く絞ったりタオルで擦ったりすると生地が固くなったり縮んでしまうこともあります。
脱水に時間や力をかけず、平干ししてしっかり乾かすようにしてください。
ホームクリーニングのポイントは掴めました!失敗しないようにチャレンジしてみます。
ラベルの表示や洗濯方法、洗剤の選び方、洗い方などに注意すればホームクリーニングできる衣類は多いです。あとから後悔しないために、少しでも違和感を感じたり不安だったりした場合は中断して、クリーニング店に相談してくださいね。
ホームクリーニングできない衣類はプロにお任せ
ホームクリーニングできる衣類や失敗のリスク、ホームクリーニングのポイントなどについて解説しました。
クリーニング店に持ち込む手間や費用を抑えられるホームクリーニングですが、失敗するリスクも高いことを覚えておいてください。
ホームクリーニングできるかわからない衣類や大切に着たい衣類は無理をせず、クリーニングのプロに相談することをおすすめします。
小原 匡人
早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。
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