玄関タイル

玄関の掃除方法は?正しい手順やポイントをわかりやすく解説

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玄関の床の部分の汚れが気になります。効果的なお手入れ方法について知りたいです。

玄関で靴を脱ぐところを「たたき」と言い、砂ぼこりなどで汚れやすい場所です。念入りに掃除する場合は、重曹や住まいの洗剤(住居用洗剤)を使って汚れをこすり取りましょう。

玄関は家に入ったとき、最初に目にする場所です。急な来客があり、あわてて玄関の掃除をした経験のある方もいるでしょう。


玄関は重曹や住居用洗剤、ほうき・デッキブラシ・メラミンスポンジなどの道具があれば、誰でも簡単に掃除できます。


この記事では、お掃除のプロが、玄関の床(たたき)や靴箱、玄関ドア・ポスト・傘立ての掃除方法についてわかりやすく解説します。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

玄関(たたき)の掃除方法を5つのステップで解説

玄関の床(たたき)は、特に汚れやすい場所だと聞きました。

はい。たたきが汚れる原因は、靴底に付着した砂や土ぼこりです。正しい掃除方法を知っていれば、簡単に汚れを洗い落とせます。

ここでは、玄関(たたき)の掃除方法を5つのステップで解説します。

まずは玄関の荷物を他の場所に移動させる

まずは、掃除の邪魔になるため、玄関に置かれている靴や傘などを別の場所に移動させましょう。


玄関のたたきの掃除では、水や洗剤を使用します。あらかじめ移動させておくことで、荷物が濡れたり破損したりするのを防げます。


また砂や土ぼこりが舞い上がるため、玄関のドアを開け、風通しを良くしておくとよいでしょう。

ほうきで大きな砂や小石を外に掃き出す

玄関の荷物を移動させたら、ほうきで目に見える大きさの砂や小石を掃いて外に出します。玄関の外に掃き出すのが難しい場合は、ちりとりでゴミを集めてください。


玄関がクッションフロアの場合は、お手入れが比較的簡単なため、ほうきで掃き出すだけで綺麗になることもあります。


玄関の床がタイルの場合は、軽い泥汚れであれば、ほうきで強めに掃くと落ちる可能性があります。目に見える汚れは、この段階で綺麗に掃き出してしまいましょう。

掃除機で細かいゴミやホコリを吸い取る

次に掃除機を使って、細かいゴミやホコリを吸い取っていきます。


玄関のたたきを掃除する際は、先端がブラシになっている掃除機を使うと便利です。タイルの目地など、掃除機の吸い込み口(ノズル)が届きにくい場所も綺麗に掃除できます。


掃除機によっては、玄関用の付け替えヘッド(玄関ブラシ)が付属していたり、別売りで購入できたりする場合があります。「室内用の掃除機で、玄関の床を掃除するのは抵抗感がある」という方は、玄関用の付け替えヘッドを用意するとよいでしょう。

デッキブラシでたたきの汚れをこすり落とす

玄関の床に掃除機をかけたら、デッキブラシを使ってこびりついた泥汚れを落としていきます。泥は水分を吸収すると落ちやすくなるため、ホースなどで少量の水をかけてから掃除するとよいでしょう。


しつこい汚れがある場合は、住居用洗剤か重曹でこすり洗いすると落ちやすくなります。また靴墨の染みは、ぼろ切れなどにベンジンを染み込ませて拭くと綺麗に落ちる場合があります。ただし、色落ちの危険性があるため、目立たない場所で変化がないことを確認してから行ってください。

玄関を水拭きするときに注意すべき点はありますか?

玄関の床が天然石(大理石など)の場合、水や洗剤を使うと染みができてしまいます。固くしぼったクロスや雑巾を使い、泥汚れをこすり落とすとよいでしょう。

水で汚れや洗剤を洗い流し、よく乾燥させる

最後にホースなどで玄関に水を撒き、残った汚れや洗剤を洗い流しましょう。一度に大量の水をかけると、床の傷や継ぎ目から水分が染み込み、床材を劣化させる恐れがあります。ホースの水量を調節し、少量の水を使用してください。


その後、雑巾やぼろ切れなどで水分を拭き取り、よく乾燥させることが大切です。特に玄関がタイル張りの場合は、残った汚れが目地に詰まり、白い跡が残る可能性があります。

玄関のたたきは、身の回りにあるもので簡単に掃除できるんですね。

はい。重曹やデッキブラシが手元にない場合も、ホームセンターなどで簡単に入手できます。しつこい汚れが落ちない場合はぜひ試してみてください。

玄関(靴箱)の掃除方法を5つのステップで解説

次は玄関の靴箱を綺麗にしたいです。でも、泥汚れがひどく、お手入れが大変そうに見えます。

正しい方法がわかっていれば、靴箱や下駄箱の掃除は簡単です。靴箱の汚れを放置すると、カビや雑菌が繁殖する恐れがあるため、定期的にお手入れしましょう。

ここでは、玄関(靴箱)の掃除方法を5つのステップで解説します。

まずは靴箱の中の靴を全て出す

まずは、掃除の邪魔にならないように、靴箱の中に入っている靴を外に全て出しましょう。靴に泥がついている場合は、ついでにブラシでこすり落としておくとよいでしょう。


また靴箱には、乾燥した泥汚れや砂ぼこりが付着しています。掃除中にホコリが舞い上がる可能性があるため、玄関のドアを開け、風通しを良くしておきましょう。

固くしぼった雑巾で靴箱の中を拭く

次に、水に浸し、固くしぼったクロスや雑巾で、靴箱の中を水拭きしていきます。


靴箱が木製の場合は水気に弱いため、しっかりと雑巾の水を切ってください。また、靴箱の内部が白木(素木)でできている場合は、木目に沿って拭きましょう。木目に逆らって拭くと、木が傷む可能性があります。


汚れがなかなか落ちない場合は、固くしぼった雑巾に住居用洗剤をスプレーし、優しく拭き掃除をするとよいでしょう。

洗剤を使うと、靴箱が色落ちしたり変色したりしないか心配です。

洗剤を使用する前に、目立たない場所で色落ちしないか確認してください。色落ちする場合は、水拭きをせず、目立つホコリを取るだけにしておきましょう。

乾いた雑巾で靴箱の水気を拭き取り乾燥させる

靴箱を水拭きしたら、すぐに乾いた雑巾で水気を拭き取ってください。靴箱が濡れたまま放置すると、木が傷んだり、色落ちしたりする恐れがあります。


その後、半日ほど扉を開けたままにしておき、内部をしっかりと乾燥させましょう。

靴箱の裏や上部を掃除機や化学モップで掃除する

掃除機もしくは化学モップを使い、靴箱の裏や上部の目に見える砂ぼこりを吸い取っていきます。


化学モップとは、ホコリやゴミを取りやすくするため、着塵剤が塗られたモップのことです。軽く水洗いするだけで繰り返し何度も使えるため、掃除機の代わりに利用できます。


化学モップの中には、軽量で小さいものもあるため、玄関が狭く掃除機が使いにくい場合におすすめです。

靴箱が乾燥したら靴を元に戻す

靴箱が乾燥したら、取り出した靴を元に戻します。靴に泥がついたままだと、泥が乾いて砂ぼこりを発生させるため、綺麗に落としてから入れましょう。


靴箱の匂いが気になる場合は、靴と一緒に活性炭や消臭剤を入れておくとよいでしょう。


また靴箱の内部は湿気がこもりやすいため、湿気対策も必要です。靴箱用の乾燥剤を入れておくと、カビや雑菌を予防できます。

玄関ドア・ポスト・傘立てを掃除するときの3つのポイント

玄関ドアやポスト、傘立ては、どうやって掃除すればよいですか?

基本的には、たたきや靴箱と同じように水拭きを行います。傘立ては玄関の外に出し、しっかりと水洗いするとよいでしょう。


ここでは、玄関ドア・ポスト・傘立ての掃除方法について解説します。

玄関ドアの掃除はクロスや雑巾での水拭きが基本

玄関ドアの掃除は、クロスや雑巾を濡らして水拭きしましょう。


特に、玄関ドアの下の部分は、ドアを開けるときに足で抑えたりするため、汚れが付着しやすい場所です。水拭きしても汚れが落ちない場合は、スポンジに住居用洗剤をつけ、優しくこすり洗いしましょう。


また、玄関ドアの取っ手や手すりなど、普段手で触る場所には、皮脂汚れが雑菌が付着しています。市販のウエットティッシュなどを使用し、小まめに拭いておきましょう。

郵便ポストもサビがなければ月に1回水拭きする

郵便ポストも、サビや目立つ汚れがなければ、月に1回程度水拭きするだけで構いません。


汚れがひどい場合は、住居用洗剤を使用してください。郵便ポストは傷がつきやすいため、金属タワシでのこすり洗いは避けましょう。


郵便ポストにサビができている場合は、市販のクレンザーを使用し、綺麗な布で磨いてサビを落としましょう。クレンザーを使用する際は、表面の筋をよく観察し、研磨方向に沿って優しく磨いてください。

傘立てはスポンジで水洗いしてしっかりと汚れを落とす

傘立ては、受け皿の部分に泥や砂ぼこりがたまっています。傘を全て外に出してから、ホースなどで水をかけ、水洗いするとよいでしょう。


また傘立ての内側には、カビが発生している場合があります。スポンジなどに住居用洗剤を含ませ、念入りにこすり落としましょう。


汚れが綺麗に落ちたら、乾いた布で水気を拭き取り、受け皿の部分までしっかりと乾燥させることが大切です。

玄関の掃除を始める前に知っておきたい3つのこと

玄関の掃除をするに当たって、知っておくべき基礎知識はありますか?

玄関が汚れる原因や、玄関の汚れを放置するリスク、玄関の床材に合わせた掃除方法などを知っておくとよいでしょう。


ここでは、玄関の掃除を始める前に知っておきたい基礎知識について解説します。

玄関の汚れの原因は靴箱に付着した泥や砂ぼこり

玄関の汚れの主な原因は、靴底に付着した泥や砂ぼこりです。靴に泥がついたまま靴箱にしまったり、玄関に置きっぱなしにしたりしていると、泥が乾燥して砂ぼこりになります。


特に、雨の日は、履き終わった靴の泥を綺麗に落とす習慣をつけると、玄関が汚れにくくなります。

玄関の汚れを放置するとタイルの劣化につながる

玄関の泥汚れは、乾いて固まるとほうきや雑巾では落ちづらくなるため、放置すればするほどお手入れが大変になります。


また、靴底に付着した砂ぼこりには、微量の花粉や黄砂、PM2.5(微小粒子状物質)、車の排気ガスなどが含まれています。こうした成分が原因で、玄関タイルが黒ずんだり劣化したりする恐れがあるため、定期的に掃除することが大切です。

玄関に使われている床材によって掃除方法が異なる

玄関を掃除する前に、床材にどのような素材が使われているかを確認しましょう。


床材がモルタルやモールテックス、タイル、コンクリート、クッションフロアなどの場合、水に強い素材が使われています。大量の水を使うのでなければ、水拭きしても問題はありません。


ただし、床材が御影石や大理石などの天然石の場合は、水拭きすると染みができる恐れがあるため、できるだけ水を使わない方法で掃除しましょう。

玄関の掃除に役立つ道具やグッズ3選

玄関の掃除に役立つ道具やグッズはありますか?

はい。ご家庭にあるほうきや掃除機の他、デッキブラシやメラミンスポンジ、重曹などがあると便利です。お近くのホームセンターなどで簡単に入手できます。


ここでは、玄関の掃除に役立つ道具やグッズを3つ紹介します。

玄関の床掃除に役立つほうき・デッキブラシ

1つ目は、ほうきやデッキブラシです。


ほうきは玄関の目立つ砂や小石の掃き掃除、デッキブラシは床にこびりついたしつこい泥汚れの掃除に役立ちます。


玄関が広くスペースに余裕がある場合は、柄の長いデッキブラシを使うとよいでしょう。立ったまま床を掃除できるため、腰や膝への負担を軽減できます。

床の黒ずみを綺麗にできるメラミンスポンジ

2つ目は、メラミンスポンジです。


メラミンスポンジとは、メラミンフォームと呼ばれる特殊な素材でできたスポンジです。メラミンフォームは、固くて細かい無数の網目状の構造をしているため、通常のスポンジでは落ちない床の黒ずみも綺麗に落とせます。


ただし、メラミンスポンジは郵便ポストなど、金属製品のお手入れには向いていません。メラミンスポンジでこすると、傷ができたり、塗装が剥がれたりする恐れがあります。

タイルの目地などの頑固な汚れには重曹が効果的

3つ目は、ホームセンターなどで売られている重曹です。


玄関の汚れや黒ずみは、酸性の性質を持っています。そのため、弱アルカリ性の重曹を使って拭き掃除をすることで、タイルの目地などの細かい汚れまで綺麗に落とせます。


玄関の掃除に使う場合、水100ミリリットルに小さじ1杯の重曹を溶かし、重曹水を作ってください。重曹には研磨効果があるため、粉のまま使用すると、玄関の床材を傷める可能性があります。

玄関の掃除方法について、よく理解できました。早速実践してみようと思います。

もし汚れが落ちない場合は、お掃除のプロにご相談ください。ハウスクリーニングの専門業者なら、市販の洗剤や掃除用品では太刀打ちできない汚れも落とせます。

玄関の正しい掃除方法や便利な掃除道具について知ろう

玄関のたたきや靴箱は、靴底に付着した泥や砂ぼこりによって、汚れがたまりやすい場所です。ほうきやデッキブラシ、メラミンスポンジなど、ホームセンターで売られている道具を使えば、簡単に汚れを落とせます。


この記事で紹介した方法でも汚れが落ちない場合や、玄関以外の場所もまとめて掃除したい場合は、ハウスクリーニング業者を利用するとよいでしょう。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。