洗面所

洗面台の掃除方法を4つの部位別にわかりやすく解説

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洗面台がカビや水垢で汚れてしまっています。簡単で効果的な掃除方法を知りたいです。

ちょっとした汚れなら、メラミンフォームのスポンジ(メラミンスポンジ)や雑巾でこすり洗いするだけで構いません。汚れがひどい場合は、この記事を読んで本格的な掃除方法を学んでください。

洗面台は、手や顔を毎日洗う場所です。皮脂や水垢などで汚れやすく、小まめにお手入れする必要があります。


洗面台の汚れを放置すると、嫌な匂いやカビ(黒カビ・赤カビ)が発生する原因になります。日常的なお手入れから本格的なお手入れまで、洗面台の掃除方法を知っておきましょう。


この記事では、掃除のプロが、洗面台の正しい掃除方法を4つの部位(洗面ボウル・蛇口・棚・鏡)に分けて解説します。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

洗面ボウルはメラミンスポンジや浴室用洗剤で掃除する

洗面台を掃除するとき、いつも洗面ボウルに時間がかかります。毎回、洗剤を使用しています。もっと手軽な方法はありませんか?

ちょっとした汚れなら、メラミンフォームやアルミ蒸着フィルムのスポンジを使うと、洗剤不要で綺麗にできます。浴室用洗剤(中性洗剤)の使用は、週に1~2回で十分です。

ここでは、洗面ボウルの日常的な掃除方法や本格的な掃除方法を紹介します。

【日常的な掃除】メラミンフォームなどの洗剤不要のスポンジでこする

洗面ボウルの日常的なお手入れは、メラミンフォームのスポンジ(メラミンスポンジ)や、アルミ蒸着フィルムのスポンジ(アルミメッシュスポンジ)があると便利です。水につけてこするだけで、水垢などの汚れを綺麗に落とせます。


スポンジで洗面ボウルをこすり洗いしたら、水をかけて汚れを洗い流し、周辺の水気を乾いた雑巾や布切れなどで拭き取りましょう。

【本格的な掃除】週に1~2回を目安に浴室用洗剤(中性洗剤)を使用する

洗面ボウルの汚れが目立つ場合は、スポンジを水で湿らせ、浴室用洗剤をスプレーしてこすり洗いしましょう。日ごろからメラミンスポンジやアルミメッシュスポンジでお手入れしていれば、洗剤の使用は週に1~2回で十分です。


洗面ボウルの素材によっては、酸性洗剤や塩素系漂白剤を使用すると、劣化や色落ちの原因になる場合があります。念入りに掃除する場合も、中性洗剤を使う程度にとどめるとよいでしょう。

なるほど、必ずしも毎日スポンジに洗剤をつけて洗う必要はないんですね。

はい。汚れが取れないと感じたら、浴室用洗剤を使用してください。ただし、アルミメッシュスポンジをお使いの場合、酸性やアルカリ性の洗剤の使用は厳禁です。

蛇口はメラミンスポンジやクリームクレンザーで掃除する

洗面台の蛇口が白くくすんでしまっています。ピカピカにする方法はありますか?

蛇口(カラン)が汚れる主な原因は、こびりついた水垢や石鹸カスです。汚れがひどい場合は、クリームクレンザーを使用しましょう。

ここでは、洗面台の蛇口の日常的な掃除方法や本格的な掃除方法を紹介します。

【日常的な掃除】メラミンフォームのスポンジで水垢などを落とす

蛇口の普段のお手入れは、メラミンフォームなどの洗剤不要のスポンジを水で湿らせ、こすり洗いをするのがよいでしょう。なかなか汚れが取れない場合を除いて、洗剤を使用する必要はありません。


水をかけて汚れを洗い流したら、乾いた雑巾や布切れを使って、蛇口やその周辺の水気をしっかりと拭き取ってください。蛇口が濡れたままにしていると、白い跡(水垢)が残る可能性があります。

【本格的な掃除】白くこびりついた水垢はクリームクレンザーで落とす

蛇口に白い水垢がこびりついている場合は、使い古しの布(ジーンズ地など)を水で湿らせ、クリームクレンザーをつけてピカピカに磨きましょう。クレンザーには研磨材が含まれるため、金属の部分以外(木材やプラスチックなど)に使用しないようにしてください。


蛇口の根元の部分は、隙間ブラシやメガネ拭きなどでこすると、狭いところも綺麗に掃除できます。

棚(キャビネット)は固く絞った雑巾や洗剤で掃除する

洗面台の棚の汚れにも気がつきました。掃除するときの注意点はありますか?

棚(キャビネット)はホコリや湿気がたまりやすく、カビが発生しやすい環境です。掃除した後で水気が残らないように、綺麗な雑巾でしっかりと乾拭きしましょう。

ここでは、洗面台の棚(キャビネット)の日常的な掃除方法や本格的な掃除方法を紹介します。

【日常的な掃除】雑巾を数枚用意し、水拭き・乾拭きする

普段のお手入れでは、綺麗な雑巾を数枚用意して、水拭き・乾拭きをします。棚に化粧品などをこぼした際も、その都度水拭き・乾拭きを行うとよいでしょう。


水拭きするときは、棚が水浸しにならないように雑巾を固く絞ってください。また雑巾の汚れた面は使わず、常に綺麗な面で拭くようにしましょう。


水拭きの後は、乾いた雑巾でしっかりと水気を拭き取ってください。洗面台の棚は湿気がこもりやすいため、濡れたままにしているとカビが発生する可能性があります。


棚の上にある照明器具も、化学モップやハタキなどを使用し、小まめにホコリを取っておきましょう。安全のため、照明のスイッチを切ってから行ってください。

【本格的な掃除】目立つ汚れは雑巾に住居用洗剤(中性洗剤)をスプレーして拭く

洗面台の棚を念入りにお手入れする場合は、まず中に入っているものを取り出し、新聞紙などを広げた床の上に移動させましょう。スライド式の棚の場合は、棚板も引き抜いておくと掃除しやすくなります。


目立つ汚れに対しては、雑巾に住居用洗剤(中性洗剤)をスプレーし、拭き掃除をします。汚れが綺麗に落ちたら、固く絞った雑巾で水拭きし、汚れや洗剤をぬぐってから、乾いた雑巾で水気を拭き取ってください。


棚の材質によっては、洗剤と反応して変色したり、ツヤがなくなったりする可能性があります。洗剤を使用する前に、目立たない場所で試してから行ってください。

鏡は柔らかい布やクエン酸スプレーで掃除する

鏡のくもりやしつこい水垢を綺麗にする方法はありますか? 鏡の白い汚れは、なかなか落ちないイメージがあります。

水垢がまだウロコ状になっていなければ、クエン酸スプレーで綺麗に落ちる場合があります。また、日ごろから、顔を洗うついでや歯を磨くついでなどに、軽い汚れを拭き取る習慣をつけることも大切です。

ここでは、洗面台の鏡の日常的な掃除方法や本格的な掃除方法を紹介します。

【日常的な掃除】マイクロファイバーのクロスで表面をやさしく拭く

洗面台の鏡が汚れる主な原因は、飛び散った歯磨き粉や水垢です。特に、水垢による汚れは、放置するとウロコ状になり、簡単には落ちなくなってしまいます。鏡をピカピカに保つため、小まめにお手入れすることが大切です。


鏡の拭き掃除には、表面に傷がつかないように、マイクロファイバーなどの柔らかい布(クロス)を使用します。クロスを水で濡らし、しっかりと水を切ってから、鏡全体をやさしく拭きましょう。


飛び散った歯磨き粉など、汚れが気になる場所は、メラミンスポンジでこすり洗いするとよいでしょう。

【本格的な掃除】白い水垢やくもりはクエン酸スプレーで落とす

鏡についた白い水垢はアルカリ性のため、酸性のクエン酸スプレーで効果的に落とせます。スプレー用のボトルに水100ミリリットルと小さじ1/2のクエン酸を入れ、よく混ぜてクエン酸スプレーを作りましょう。


クエン酸スプレーを鏡全体に吹きかけたら、数分間放置してください。その後、汚れを水で洗い流してから、乾いた雑巾か吸水性の高いクロスで水気を拭き取りましょう。

水垢がウロコ状になっている場合はどうすればよいですか?

鏡のウロコ汚れは、クエン酸スプレーでは完全に除去できない場合があります。より強力な酸性洗剤か、鏡用の研磨剤を用いたクリーニングが必要です。鏡の白い水垢やくもりにお困りなら、水回りのクリーニング業者に相談するとよいでしょう。

洗面台が汚れる主な原因は水垢・赤カビ・黒ずみなど

洗面台が汚れる原因として、水垢やカビなどがあると聞きました。

他にもカビのような見た目の赤カビ(ロドトルラ)や、飛び散った歯磨き粉や化粧品による汚れ、ヘアピンなどの金属製品からのもらいサビなどが考えられます。汚れの正体を知っていれば、正しく対処することが可能です。

ここでは、洗面台の汚れの主な原因を5つ紹介します。

蛇口や鏡などに付着する白い水垢

1つ目は、蛇口や鏡などにこびりつく水垢です。


水道水には、4種類のミネラル成分(カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・カリウム)が含まれています。蛇口や鏡についた水滴が蒸発すると、このミネラル成分が残り、白っぽい水垢になります。ミネラル成分は蓄積すると石のように固くなるため、定期的に掃除しましょう。

水垢は「カルキ」とも呼ばれていますよね。

はい。カルキとは、消石灰と塩素を反応させてできる粉末状の物質(次亜塩素酸カルシウム)を指します。しかし、現在は水道水の消毒にカルキは使われていません。洗面台の白い汚れの正体は、厳密にはカルキではなく、水道水に含まれるミネラル成分です。

水のある場所で繁殖しやすい赤カビ(ロドトルラ)

2つ目は、赤カビ(ロドトルラ)です。洗面台の排水口や蛇口の周りに、ピンク色の汚れがついているのを見たことがある方も多いでしょう。


赤カビという名前がついていますが、厳密にはカビ菌ではなく、酵母菌の一種です。繁殖力が高いため、高温多湿の環境が続く夏場は特に活発に広がります。


ロドトルラは、人間の皮脂や垢、石鹸カスなどをエサにしています。小まめに洗面台を掃除することで発生を予防できるでしょう。

タイルの目地などにできやすい黒ずみ

3つ目は、蛇口の周りやタイルの目地、ゴムパッキン(コーキング)などにできやすい黒ずみです。


黒ずみの正体は、黒カビや雑菌です。赤カビ(ロドトルラ)と同様に、人間の皮脂や垢、石鹸カスなどをエサとして成長するため、小まめに掃除することで黒ずみを予防できます。

飛び散った歯磨き粉や化粧品による汚れ

4つ目は、飛び散った歯磨き粉や化粧品による汚れです。


放置していると、赤カビ(ロドトルラ)や黒ずみが発生する原因にもなります。汚れを見つけたら、すぐに雑巾で水拭き・乾拭きしましょう。

ヘアピンなどの金属製品からのもらいサビ

5つ目は、もらいサビです。


もらいサビとは、金属製品を濡れたまま放置した際に、その場所に茶色いサビ汚れが移る現象です。


洗面台の棚に、ヘアピンなどの金属製品を直に置いておくと、もらいサビの原因になります。ヘアピンを毎日使う方は、プラスチック製のヘアピンケースに入れておくとよいでしょう。

洗面台の掃除をする前にしておく4つの準備


ここでは、洗面台の掃除をする前にしておく準備を4つ紹介します。

洗面所のドアや窓を開け、換気しておく

まず、掃除を始める前に、洗面所のドアや窓を開けましょう。浴室が隣接している場合は、換気扇を回しておくとさらに換気が良くなります。


風の通り道を作ることで、掃除の際に舞い上がるホコリや、洗剤から揮発する成分などが洗面所にこもりにくくなります。

洗面台に置いているものを別の場所に移動させる

洗面台を念入りに掃除する場合は、棚の上の歯ブラシや化粧品などを別の場所に移動しましょう。棚がスライド式の場合は、棚板も取り外しておくことをおすすめします。


掃除がしやすくなるだけでなく、掃除中に水や洗剤がかかって汚れる心配もなくなります。

感電を防ぐため、照明のスイッチは切っておく

棚や照明器具を掃除する場合は、念のため照明のスイッチは切っておきましょう。洗面台の照明をつけたまま、濡れた雑巾などで掃除すると、感電するリスクがあります。

洗面所の床にビニールシートやタオルを敷いておく

洗面台を掃除すると、水や洗剤が床に飛び散る可能性があります。床を汚したくない方は、洗面所の床を養生(保護)しておくとよいでしょう。


養生シートが手元になくても、ビニールシートやタオルを敷いておくだけで構いません。

洗面台の掃除は、意外と簡単ですね。汚れが気になる場所は、洗剤やクエン酸スプレーで対処してみようと思います。

鏡のウロコ汚れなど、なかなか落ちない汚れもあります。自力で対処するのが難しい場合は、水回りのクリーニング業者に相談してみましょう。

洗面台を綺麗に保つためには、日常的に掃除することが大切

洗面台を綺麗に保つためには、日常的なお手入れが必要不可欠です。メラミンフォームやアルミ蒸着フィルムのスポンジがあれば、洗剤を使わなくても汚れを落とせます。なかなか落ちない汚れは、浴室用洗剤(中性洗剤)や、クリームクレンザー(金属部分のみ)を使用するとよいでしょう。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。