【専門家監修】排水溝の掃除方法9選!汚れの種類別に落とし方のコツを解説
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排水溝の掃除は必要ですか?掃除しなくても水を流すのに支障がないように思います。できればあまり触りたくないんですが…
排水溝は1日に何度も水を流す場所なので、次第に汚れていきます。目がつきにくい場所なので掃除があと回しになってしまいがちですが、ぬめりやカビ、ニオイが発生する前に掃除しておきましょう。
生活排水を流す場所を排水溝または排水口と呼びます。キッチンやお風呂、洗面台などに設けられている排水溝は、水を使い続けるうちに少しずつ汚れていってしまいます。
排水溝の汚れを放置していると悪臭が発生したり、排水溝が詰まってしまったりすることもあるものです。また、不衛生な状態で水道を使い続けることによる健康被害も心配です。
安心して生活するためにも、排水溝はこまめに掃除しておきたいものです。
今回は、排水溝が汚れてしまう原因や効果的な掃除方法についてチェックしていきましょう。
小原 匡人
早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。
排水溝の汚れの原因と落とし方のコツ
普段から排水溝に水を流していれば汚れも一緒に流れていくような気がします。それなのに排水溝はなぜ汚れてしまうんですか?
キッチンの排水溝であれば食べ残しや油汚れが、お風呂や洗面台であれば石鹸カスや髪の毛ヘドロなどが汚れの原因となります。また、水気のある場所に発生するカビや水垢も、排水溝汚れの大きな原因です。
まずは、キッチンやお風呂、洗面台など、排水溝の場所ごとに汚れの主な原因を見ていきましょう。
キッチンの排水溝が汚れる原因
キッチンの排水溝が汚れる大きな原因は、食べカスなどの残留物です。
また、お皿やフライパンなどに付着した油を洗い流すと、排水溝の中で固まって汚れになってしまうことがあります。キッチンで使う油は加熱しているときには液体の状態ですが、洗浄するときに冷えると固体になって排水溝にこびりついてしまうのです。油汚れが頑固なぬめりになってしまうと掃除が難しくなります。
食べカスや油汚れはキッチン洗剤や重曹などを使って掃除できます。汚れが蓄積してしまう前に、丁寧に汚れを落としておきましょう。
また、キッチンの排水溝には水気があるため、カビ汚れや水垢汚れ、カルキ汚れが発生するケースもあります。カビや水垢はこまめに掃除していればある程度防げるので、汚れを放置しないよう気を付けておきましょう。
お風呂の排水溝が汚れる原因
お風呂の排水溝は石鹸カスや皮脂汚れによってどんどん汚れていきます。また、お風呂の湿気がカビとなり、黒ずみやピンク色のぬめりが起きてしまうこともあります。
お風呂の排水溝に髪の毛が流れると、皮脂汚れや石鹸カスと混ざり合って髪の毛ヘドロになってしまいます。ベトベトとした髪の毛の汚れが溜まると掃除がしにくくなってしまうので十分注意しましょう。
髪の毛ヘドロにまとわりついた皮脂汚れは、コバエなどの虫や雑菌の格好のエサとなります。放置していると排水溝周辺に虫がタマゴを産みつけ、繁殖してしまう可能性も考えられます。
お風呂の排水溝に流れる髪の毛はこまめに取り除いておきましょう。お風呂洗剤やパイプクリーナーなどを使って掃除をすれば、排水溝の汚れをきれいに落とすことができます。
洗面台の排水溝が汚れる原因
汚れた手を洗う洗面台では、皮脂汚れや石鹸カスが排水溝にこびりついてしまうことがあります。また、ドライヤーを使ったり髪を整えるときに抜けた髪の毛が詰まり、髪の毛ヘドロが発生することもあるものです。
洗面台の排水溝を掃除せずに放置すると、水垢やカルキ汚れが溜まって汚れてしまいます。こういった汚れは洗剤や重曹を使えばきれいに落とせます。
なるほど。排水溝汚れにはいろいろな原因があるんですね。
排水溝の汚れの原因に合わせて掃除をすれば、効果的に汚れを落とすことができますよ。
排水溝の汚れの原因や放置するリスク
排水溝を掃除しなかった場合、どのような問題が起きますか?
排水溝が汚れていると雑菌が繁殖して衛生状態が悪くなります。最もひどい場合、悪臭が発生したり虫が湧いてしまったり、排水溝に詰まりが発生したりすることもあるので、汚れを防ぐ対策が必要です。
排水溝の汚れは、放置していてきれいになるということはありません。一度発生した汚れは排水溝を使い続けることで次第にひどくなっていきます。
特に、水垢やカルキ汚れは排水溝の素材に深く着色し、掃除しても落とせなくなることがあります。また、排水溝に発生しやすいカビ汚れも時間が経つと落とせなくなるので注意しましょう。
これらの汚れが溜まると、排水溝からは悪臭が漂いやすくなります。また、皮脂汚れを好む雑菌や虫の繁殖によって、排水溝が不衛生な状態になる可能性も考えられます。最悪の場合、虫がタマゴを産みつけて繁殖してしまうこともあるので気を付けたいものです。
排水溝汚れは詰まりに発展することもあります。排水溝が詰まってしまうと水がうまく流れなくなり、生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。
排水溝に虫が湧いたり不衛生になったりするのは困りますね。
排水溝は気を抜くとすぐに汚れてしまい、汚れがあっという間に蓄積していきます。雑菌が繁殖したり詰まりが起きたりするまえに掃除しておくのがおすすめです。
排水溝のおすすめ掃除方法9選
汚れてしまった排水溝はどのように掃除したらいいですか?
洗剤のほか、重曹やクエン酸を使った掃除も効果的です。軽い汚れであれば、排水溝に直接触らず掃除することもできますよ。
ここからは、排水溝掃除の具体的な方法をチェックしていきましょう。
塩素系漂白剤を使った排水溝掃除の方法
排水溝の掃除にはハイターなどの塩素系漂白剤が使えます。
まずは、排水溝の受け皿や栓、カバーなどを外し、排水溝に塩素系漂白剤を流し入れましょう。この状態で排水溝にフタをし、30分程度放置しておきます。
このとき、ニオイが充満しないよう窓を開けて換気をするか換気扇を回しておくのがポイントです。また、別の洗剤を併用すると有毒ガスが発生することがあるので十分注意しましょう。
つけ置きをして30分が経過したら、排水溝を十分な水で洗い流せば掃除完了です。
液体パイプクリーナーを使った排水溝掃除の方法
液体パイプクリーナーはお風呂の排水溝掃除に絶大な効果を発揮してくれます。髪の毛ヘドロが詰まったときなどには、液体パイプクリーナーを使って掃除していきましょう。
まずは排水溝周辺の髪の毛などの汚れやゴミを取り除きます。乾いた状態であれば汚れをサッと除去できるので、排水溝を濡らす前にきれいにしておきましょう。
続いて窓を開けるなど換気をし、排水溝の部品を取り外します。この状態で排水溝に液体パイプクリーナーを流し入れ、30分から1時間程度放置しましょう。
十分につけ置きをしたら、十分な水を流して汚れを落としていきます。あとは、排水溝のパーツを設置し直せばOKです。
液体パイプクリーナーも塩素系漂白剤と同じように、ほかの洗剤と併用すると有毒ガスが発生するリスクがあるので、気を付けて取り扱いましょう。
重曹とクエン酸を使った排水溝掃除の方法
キッチンの排水溝の汚れの大きな原因は、残飯や油汚れです。こういった汚れを落とすためには重曹とクエン酸を使った掃除が効果的です。
まずは排水溝に水を流して管の中を湿らせておきましょう。続いて、重曹1カップを排水溝に振りかけていきます。その後、クエン酸を重曹の半量振りかけて、そのまま1時間程度放置しておきます。
重曹はアルカリ性、クエン酸は酸性の性質を持っているため、この2つを組み合わせると二酸化炭素が発生して汚れが浮き上がりやすくなります。
重曹とクエン酸でつけ置きをしたあとに、60度くらいの少し熱めのお湯を2リットル程度流します。このとき、沸騰するような熱いお湯をそのまま流すと排水溝が破損することがあるので、熱湯を使うのは避けましょう。
お湯を流したあとには、排水溝の手の届く部分をスポンジでこすって落としておきます。
重曹ペーストを使った排水溝掃除方法
排水溝の周辺が汚れてぬめりが起きているときには、重曹ペーストを使って掃除していきましょう。
重曹は、少なめの水で溶くとペースト状になります。歯ブラシなどを使い、汚れが気になる部分に重曹ペーストを塗り込んでいきましょう。重曹ペーストを塗ったあとにはラップで覆って20分程度つけ置きします。最後に、ペーストを塗った部分をスポンジで軽くこすり、十分な量の水で流して仕上げましょう。
お風呂の残り湯でできる排水溝掃除
お風呂にお湯を張ったあとには、残り湯で排水溝掃除をしましょう。
お風呂の残り湯に重曹を1カップ程度入れて軽く混ぜ、そのままお湯を1~2時間放置しましょう。その後、栓を抜いてお湯を流すだけで、排水溝をきれいに掃除できます。
お湯を抜いたあとには浴槽をスポンジで軽くこすり、水洗いしておきましょう。
排水溝掃除専用の洗剤を使うのもおすすめ
ホームセンターやドラッグストアでは、排水溝専用の洗剤が多数販売されています。粉タイプのものや液体タイプのもののほか、錠剤を排水溝に入れるだけで掃除ができる洗剤もあります。
こういった洗剤を排水溝に流し込み、泡の力で排水溝を掃除していきましょう。泡立つタイプの洗剤であれば排水溝やゴミ受けカゴ、トラップにも十分に泡が行き渡り、ぬめりや水垢をすっきりと落としてくれます。
排水溝のゴミ受けやカバーの掃除方法
キッチンなどの排水溝のゴミ受けやカバーにはぬめり汚れが発生してしまうことがあります。こういったパーツの汚れは液体洗剤で擦り落とすことができます。
まずはゴム手袋をして、スポンジにキッチン用液体洗剤をつけて汚れを擦り落としていきましょう。細かい目詰まりは歯ブラシを使ってこすればきれいに落とせます。
十分に汚れを落として洗浄したあとに、ゴミ受けやカバーに重曹を振りかけましょう。その後、クエン酸を重曹の半量程度かけて泡立たせます。30分程度放置したらお湯できれいに洗い流して仕上げていきましょう。
排水溝のパイプ内部を洗浄する方法
排水溝の奥を掃除したいときには、専用の柄付きブラシを用意しましょう。金属製のブラシは排水溝の破損を引き起こすことがあるので、プラスチックなどでできた柔らかいブラシを選ぶとよいでしょう。
まずは排水溝のフタやゴミ受けなどを外し、排水ホースをむき出しにします。この状態で排水ホースに柄付きブラシを入れ、奥側をこすり洗いします。最後に、中性洗剤を薄めた水を排水ホースに流し、内部の汚れを取り除いていきましょう。
排水溝が詰まっているときの掃除方法
排水溝の掃除を怠っていると、ゴミや汚れの蓄積によって詰まりが発生してしまうことがあります。
キッチンの場合にはスプーンやフォークを、洗面台の場合には歯ブラシや歯磨き粉のフタなどを誤って流してしまうと詰まりが発生します。また、お風呂の髪の毛ヘドロが詰まりの原因となるケースもあるものです。
こういった詰まりが起きてしまったときには、ラバーカップを使って詰まりの原因を取り除きましょう。カップを排水溝に押し付けてから引くようにすれば、異物を取り除けるかもしれません。
異物がうまく取り除けないときには排水トラップを分解するなどの処置が必要となります。排水トラップをセルフで分解して内部を掃除するという方もいるものですが、失敗すると水漏れが起きたり排水トラップを破損させてしまったりするかもしれません。
排水溝の詰まりをうまく掃除できないときには、ハウスクリーニングのプロに処置してもらうのがおすすめです。
意外と簡単にできる掃除方法もあるんですね。
ふきだし重曹やクエン酸、市販の洗剤を使用した排水溝掃除であれば手軽にできますが、排水溝の奥の掃除をセルフでおこなうのは少し難しいかもしれません。掃除しにくいと感じたときには専門のハウスクリーニング業者に連絡するのも有効な方法です。
排水溝を清潔に保つためのポイント
排水溝の掃除頻度を減らす方法はありませんか?
普段から排水溝を汚さないよう気をつけていれば、頻繁に排水溝掃除をしなくても清潔さをキープできます。
排水溝掃除の頻度を減らしたいのであれば、以下の2つのコツを意識してみましょう。
排水溝にゴミを流さない
キッチンの排水溝に食品カスや油などを流すと、排水溝の内側はどんどん汚れてしまいます。排水溝にゴミ受けネットをセットしていても、小さな食品カスや油はすきまを通じて流れ出し、排水溝にこびりついてしまうのです。
キッチンの後片付けをするときには、ゴミを極力流さないようにしましょう。生ゴミ専用のゴミ箱やゴミ袋を用意しておけば、排水溝に流すゴミの量を減らせます。
お皿やフライパンに付着した油分や食品カスも、拭き取ってゴミ箱やゴミ袋に捨てるようにしましょう。
お風呂の場合でも、髪の毛などのゴミをできるだけ流さないようにしておくことが、汚れを防ぐことにつながります。
排水溝にお湯を流しておく
排水溝に流れ出した油汚れは、冷たい水を流すと固まって定着し、べたついた汚れになってしまいます。キッチンのシンクを使ったあとには、お湯を流して油汚れの定着を解消しておきましょう。
ただし、熱いお湯をそのまま流すと排水溝やパイプが傷んでしまうおそれがあります。排水溝をお湯で掃除するときには、温度を40~60度くらいに調整しておきましょう。
どちらも簡単にできそうな工夫ですね。
ほんの少し工夫をすることで、排水溝の汚れを防いで清潔な状態に保つことができます。また、汚れに気付いたときに見える場所をサッと掃除しておくことも、排水溝をきれいに保つためのポイントです。
排水溝の掃除をせずに放置すると不衛生な状態になってしまうので気を付けましょう
排水溝が汚れていると、触りたくないと感じてしまい掃除がおっくうになることがあります。しかし、汚れた状態の排水溝を掃除していると衛生状態がさらに悪化し、悪臭や虫の発生、詰まりの発生の原因になることもあります。
排水溝はセルフでも掃除できますが、管の奥の方を掃除するのはなかなか難しいものです。排水溝の汚れがなかなか解消されないときには、専門業者に掃除を依頼することがおすすめです。プロの手によって排水溝をピカピカに掃除してもらえば、水回りを気持ちよく使い続けることができます。
小原 匡人
早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。
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