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【専門家監修】ガスコンロ掃除は重曹で楽に!頑固な油汚れや焦げの落とし方

ガスコンロの頑固な油汚れや焦げあとに困っています。楽に掃除する方法はありませんか?

ガスコンロの掃除には重曹がおすすめです。弱アルカリ性の性質で、頑固な汚れも楽に落としてくれます。ただし、注意点もあるため、使用方法を理解し上手に活用してください。

酸性の汚れは重曹のようなアルカリ性の洗剤と相性がよく、中和させることで楽に掃除できます。


この記事では、ガスコンロ掃除に重曹がおすすめの理由や具体的な掃除の仕方、注意点を分かりやすく解説します。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。

ガスコンロ掃除に重曹がおすすめの理由

ガスコンロの油汚れや焦げがついた部分は、何で掃除すればよいでしょうか?

ガスコンロの掃除は重曹を使うと楽にできます。弱アルカリ性の性質が油汚れをしっかり分解するだけでなく、食品添加物のため、キッチンでも安心して利用できます。

油汚れは酸化すると、頑固で落ちにくくなってしまいます。そこで、弱アルカリ性で食品添加物にも使用されている重曹が、ガスコンロ掃除に大活躍します。

食品添加物として使用されているので安全性が高い

重曹は「炭酸水素ナトリウム」「重炭酸ソーダ」などとも呼ばれ、海水を電機分解するなどして作られます。


お菓子の膨張剤「ベーキングソーダ」の名前でも親しまれているとおり、食品添加物としても利用されています。そのため、食品を扱うガスコンロの掃除にも安心して利用できます。


もともと自然界に存在する物質であり、生物分解が早いため、利用しても環境負荷が少ない点も魅力です。

弱アルカリ性の性質で酸性汚れをしっかり分解

重曹はPH8.2の弱アルカリ性。下記のような酸性の汚れを落とすのに適しています。

  • 油汚れ
  • 皮脂や手アカ
  • 湯アカ
  • 食べ物の腐敗臭対策

粒子が細かいためクレンザーのように利用でき、コゲ落としにも最適です。また、消臭・吸湿作用もあるため、生ごみなどの腐敗臭対策にも利用できます。


次に、ガスコンロ掃除で使う「重曹水」と「重曹ペースト」の作り方をご紹介します。

二度拭き不要!「重曹水」の作り方

「重曹水」は下記の材料を用意し、よく溶かしてからスプレーボトルに詰めて使いましょう。

  • 水 100ml
  • 重曹 小さじ1

40度くらいのものぬるま湯を使えば、重曹の溶け残りを防止できます。


上記の濃度で作った重曹水であれば、掃除後の二度拭きは不要です。ガスコンロの軽い汚れは、重曹水を噴きかけて布で拭き取るだけで簡単に落とせます。

しつこい汚れに!「重曹ペースト」の作り方

下記の材料をよく混ぜて、ペースト状の重曹を作ります。

  • 水 大さじ1
  • 重曹 大さじ2

コゲやこびりついた油汚れは、「重曹ペースト」で研磨して落とします。日持ちがしないため、使う分だけ作るようにしましょう。

重曹は掃除にも使えるんですね。口に入っても問題なく、環境にも優しいなら、キッチンの掃除にも使いやすいです。

そうですね。重曹は安価で入手しやすい点もメリットです。ただし、清掃用の重曹はお料理には使えないので注意してくださいね。

ガスコンロの汚れの種類

ガスコンロの汚れって、本当に頑固で落としづらいですよね。なぜ、こんなにこびりつくのでしょうか?

ガスコンロは食べ物・油・焦げや埃などが合わさって蓄積するため、頑固で落としづらい汚れができてしまいます。

次に、ガスコンロの汚れの種類を確認し、頑固で落としづらくなる原因をみてみましょう。

食品汚れ

食材や調味料など、食べ物が原因の汚れが食品汚れです。これらの汚れは時間がたつと酸化し、残骸は炭化により頑固な汚れになります。また、水分の多い食材をそのままにしておくと、カビが生えたり、ガスコンロがサビたりする原因にもなります。


調理が終わったら都度拭き取るなど、こまめな掃除を心がけましょう。

油汚れ

油汚れは空気に触れることで酸化が進み、そこにホコリが付着することで、幾層にも重なった頑固な汚れになり落としにくくなってしまいます。


放置すればするほど、落とすのが難しくなるので、ガスコンロに跳ねたら、すぐに拭き取るようにしましょう。

焦げ汚れ

鍋の噴きこぼれのように、炭化してしまった汚れは洗剤を使っても簡単には落ちません。そのため、重曹ペーストのような研磨剤を使って、時間をかけて汚れを落とす必要があります。


また、力任せにゴシゴシ擦ってしまうと、キズの原因になるため注意しましょう。

こぼした食品だけでなく、油の酸化も掃除を難しくする原因なんですね。早めに掃除しないと、どんどん汚れが手ごわくなるのも納得です。

室内の他の場所に比べて、ガスコンロは食べ物や油など、汚れの原因になるものが多い場所です。頑固な汚れにしないためにも、こまめな清掃を心がけたいですね。

パーツ別 ガスコンロ掃除の基本的な手順

ガスコンロの掃除はどのような手順で進めればよいでしょうか?

最初に取り外せるパーツは全て外しましょう。その後パーツ自体を分解し、念入りに掃除していきます。また、普段の掃除は重曹水で軽く拭く程度で問題ありません。

ガスコンロの掃除では、始めにパーツを分解し、それぞれ個別に掃除をしていきましょう。

天板の掃除方法

調味料や油が跳ねて汚れやすい天板は、日々手入れをしたい部分です。使い終わったら重曹水を満遍なく吹きかけ、布で汚れを取り除けば綺麗な状態をキープできます。


頑固な汚れができてしまったら、次の方法で掃除しましょう。

  1. 重曹ペーストを汚れに乗せ馴染ませる。
  2. 丸めたラップやアルミホイル、歯ブラシなどで、優しく汚れを落とす。
  3. 布で汚れを拭き取る。

天板にキズが付かないよう、様子を見ながら優しく清掃しましょう。


また、ホーローやステンレスなど、素材によっては研磨するとキズがついてしまう恐れもあります。その場合は、重曹スプレーをたっぷりかけ、キッチンペーパーとラップで蓋をして、汚れを浮かせてサッと拭き取るとよいでしょう。

五徳の掃除方法

五徳は鍋やフライパンを置くパーツで、吹きこぼれや油汚れが付着しやすい部分です。


普段の掃除では、重曹水で拭き取るだけでなく、重曹ペーストも活用し汚れをかき落としましょう。


普段の掃除で落としきれない汚れは、下記手順で汚れをゆるめてから掃除しましょう。

  1. 五徳が入る大きさの桶に、40度以上の重曹水を1L用意する。
  2. 1の中に五徳を入れて、5~20分程度置く。
  3. 汚れがゆるんだら取り出し、スポンジや歯ブラシで擦って洗う。
  4. 最後に水気を拭き取り乾燥させる。

上記でも汚れが落ちないときは、小鍋に五徳を入れて、重曹水で煮洗いするのもおすすめです。ただし、ホーロー製など素材によっては変色する可能性があるため注意しましょう。

バーナーの掃除方法

ガスコンロの燃焼装置に当たる部分がバーナーです。天板や五徳と比べて汚れにくいものの、油などが付着していることもあるため、定期的に掃除しましょう。

  1. バーナーキャップを外して、目立つ汚れをブラシなどで落とす。
  2. 重曹水を吹きかけ、スポンジや歯ブラシなどで丁寧に洗う。
  3. 水ですすいで、しっかり乾かす

なお、バーナー本体は重曹水を吹きかけた布で拭き掃除をします。また、汚れなどが詰まっている場合は、竹串などを使って汚れを取り出しましょう。


汚れが詰まっていたり、バーナーキャップがずれていたりすると、点火不良の原因になるため注意しましょう。

魚焼きグリル

焼き網や受け皿は、使い終わる度に中性洗剤で洗いましょう。また、グリル庫内は重曹スプレーを含ませた布で汚れを拭き取ります。手の届かない奥の方は、菜箸などに布を巻きつけて手入れしましょう。


受け皿の焦げ付きなどは下記の手順で掃除します。

  1. 焼き網を外し、受け皿は分解できそうなら分解する。
  2. 1が入る大きさの桶、または厚手のビニール袋に40度以上の重曹水を用意する。
  3. パーツを2に入れ、5~20分程度つけ置く。
  4. 汚れが浮かび上がったら、スポンジでよくこすって洗い流す。
  5. 水気を拭き取って、組み立てる。

魚焼きグリルの油汚れは発火の原因にもなるため、使用後は毎回掃除しましょう。グリル庫内も重曹水を使えば、二度拭きの手間もないため簡単です。

頑固な汚れになってからではなく、こまめな掃除を続けることが大切なんですね。料理が終わったら拭き掃除をすれば、念入りお掃除も簡単に済みそうです。

そうですね。日々の掃除の他に、パーツまで分解する念入り掃除は1ヵ月に1回程度行うと、キレイな状態が長続きします。逆に、1ヵ月以上掃除をサボってしまうと、頑固な汚れになるだけでなく、溜まった油汚れに引火してしまう恐れもありますので注意しましょう。

ガスコンロ掃除に重曹を使うときの注意点

とっても便利な重曹ですが、ガスコンロ掃除の際、注意点はありますか?

柔らかい素材に重曹クレンザーを使うと、キズがついてしまうことがあります。また、手が荒れてしまう恐れがあるので気を付けてください。

ガスコンロ掃除に使いやすい重曹ですが、素材によってはキズがつく恐れがあること、掃除の際手が荒れる可能性があることなど、注意点がいくつかあります。

重曹クレンザーが適さない素材がある

下記のような柔らかい素材は、重曹クレンザーを使うと表面にキズがついてしまう恐れがあります。

  • プラスチック
  • 大理石
  • アルミ
  • ホーロー
  • ガラス

ガスコンロの中でも、ホーロー製やステンレス製、ガラス製など、キズが付きやすい素材は目立たない部分で試すか、他のクレンザーを使うとよいでしょう。

重曹水は白い跡が残ることがある

重曹をたくさん溶かした高濃度の重曹水は、掃除後、白い跡が残ってしまいます。そのため、規定量を守って作ることが大切です。


もし、デリケートな素材に使用する際は、仕上げに水拭きをして重曹水をしっり落としてもよいでしょう。

肌が荒れることがある

重曹は弱アルカリ性の性質のため、ヒトの皮脂も穏やかに分解する作用があります。そのため、素手で重曹水を触ると肌が荒れてしまうかもしれません。


長時間掃除をする際や、乾燥肌の方が使用するときは、ゴム手袋をつけるなどして、対策しましょう。

「重曹水」や「重曹ペースト」は早めに使い切る

「重曹水」や「重曹ペースト」は水を使って作るため、雑菌が繁殖しやすく、時間が立つと腐敗してしまいます。


そのため、重曹水は1週間程度を目安に使い切りましょう。また、重曹ペーストは乾燥しやすいため、使う都度作ることをおすすめします。衛生面が心配なら、スプレーボトルを消毒する、精製水を使うのも有効です。

重曹の保存方法や保存場所

重曹は湿度を吸収し固まる性質や、臭いを取り込む性質があるため、保存するときは密閉容器を利用しましょう。


保存場所としては、匂い強いものがなく、水がかからない、冷暗所が適しています。なお、粉末の重曹は適切に保存すれば3年程度利用できます。

清掃用の重曹は料理に使えない

重曹には下記の3つのグレードがあり、清掃用の重曹は不純物が含まれるため、料理には使えません。

  1. 薬品用の重曹
  2. 食品添加物の重曹
  3. 工業用の重曹

1や2は口に入っても問題がなく、清掃用としても利用できます。


また、3は清掃用のみですが、他のグレードのものより粒子が粗いため、クレンザーとして高い効果を発揮します。

なるほど、重曹水は重曹をたくさん溶かせばいい訳ではなく、作り置きも駄目なんですね。適切な濃度で適量作るようします。

そうですね。たくさん溶かせば汚れが落ちるわけではありません。また、アルカリ性のため手荒れの危険があることや、湿度や匂いを吸収しないように保存するなど、利用方法だけでなく、保存方法にも気を付ける必要があります。

重曹でも落とせない頑固な油汚れや焦げの対処法

重曹を使っても落ちない汚れはどうすればよいでしょうか?

油汚れ専用の洗剤を使う、パーツのみ新しいものと買い換えるなどが方法とです。また、プロに清掃を任せるのもおすすめです。

普段の掃除だけでなく、頑固な油汚れや焦げにも使える重曹ですが、時間が経過し固くなった油汚れはなかなか落ちません。重曹でも落ちない汚れの対処法を解説します。

アルカリ性洗剤

時間のたった焦げのように頑固な汚れは、油汚れ専用のアルカリ性洗剤を使って処理しましょう。専用洗剤には界面活性剤なども含まれるため、より効果的です。


汚れ部分に直接洗剤をスプレーし10分程度置いた後、割りばしなどで削り取るように掃除します。


汚れがしっかり落ちるものの、長年放置した汚れはガスコンロの塗装ごと一緒に剥がれてしまうことがあるので注意しましょう。

クリームクレンザー

クリームクレンザーを丸めたラップにつけ、くるくると円を描くように汚れを落とします。ある程度汚れが浮かび上がったら、一度布で拭き取り、もう一度同じ作業を繰り返します。


界面活性剤と研磨剤が配合されているため、しっかり汚れを落としてくれます。


ただし、天板表面の光沢がなくなることもあるため、常用は避けましょう。

サビ落とし

ガスコンロの表面がサビてしまったときは、専用洗剤を使います。直接スプレーするだけで、サビを浮かび上がらせて表面をキレイに整えます。


ただし、大理石など、一部の素材には使えないため、必ず目立たないところで試してから利用しましょう。

パーツを買い換える

専用の洗剤を使っても汚れが落ちないときは、パーツを買い換えてしまうのも1つの方法です。ガスコンロ本体を買い換えるとなると費用がかかるものの、パーツのみなら低価格で済みます。


五徳や魚焼きクリルなど、有名なガスコンロメーカーのものは買い換え用も充実しています。


とはいえ、天板やガスコンロ本体の汚れがひどい場合は、パーツ交換で代用できない点がデメリットです。

プロに清掃を依頼する

重曹でも落ちない頑固な汚れがあるなら、プロに清掃を依頼してもよいでしょう。ガスコンロのように細かいパーツが多く、力任せに掃除するとキズがつく製品は、専用の洗剤や機具を使って清掃した方が時間の短縮にもなります。


隅々までキレイになるだけでなく、よい状態を保てればガスコンロを長く愛用できる点もメリットです。

時間のたった頑固な汚れは、自分で落とすのは難しそうですね。また、パーツだけキレイになっても他の部分が汚れているのはちょっと残念。ガスコンロ全体がキレイになるなら、プロのクリーニングも活用してみたいですね。

そうですね。プロのクリーニングなら、手の届かない魚焼きグリルの奥や、パーツの隙間なども掃除できるため、自分で行う以上に満足のいく仕上がりになりますよ。また、一度しっかり汚れを落とせばその後の手入れが楽になるところもメリットです。

ガスコンロをキレイに掃除するならねハウスクリーニングのプロに任せると安心!

ガスコンロの掃除は、重曹を使って自分で行うことも可能です。


しかし、研磨するときキズがついたり、長年放置してきた汚れは落ちづらかったりする点がデメリットです。


そのため、掃除が難しいと感じるときは、ハウスクリーニングのプロに頼ることもおすすめです。安心できる清掃業者を選ぶためにも、相場を確認し複数社から見積を取るようにしましょう。


小原 匡人

早稲田大学国際教養学部卒。
その後、ハウスクリーニング専門ポータルサイト「おそうじ合衆国」の立ち上げに参画。公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が主催する「ハウスクリーニング技術研修会」へ積極的に参加し、ハウスクリーニング業者との密接な関係構築・情報交換に努めています。収納や清掃をテーマに、様々な記事の監修・執筆にも関与。ハウスクリーニングアドバイザー取得。